スーパーフードの栄養効果がうつの予防と緩和におすすめな理由
当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)、運動と瞑想で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
今回は「スーパーフードの栄養効果がうつの予防と緩和におすすめな理由」について述べていきたいと思います。
当ブログでは糖質制限と腸内フローラに着目しつつ、「うつ」と栄養不足の問題を取り上げていますが、「スーパーフード」と呼ばれる食材を日頃の食生活に採り入れることは、栄養不足の解消に効果的だと思われます。
なぜならスーパーフードは栄養価が高いうえ、タンパク質(アミノ酸)やビタミン、ミネラル、ポリフェノールなど、様々な栄養素がバランスよく含まれているからです。
またスーパーフードと呼ばれる食材には、ビタミンB群やビタミンC、アミノ酸、鉄・亜鉛などのミネラル類、DHA・EPAなどのオメガ3脂肪酸、食物繊維など、うつの症状を改善していくために必要不可欠なの栄養素が大変豊富に含まれているものもあります。
このスーパーフードについて、デイヴィッド・ウォルフ氏は『スーパーフード』のなかで、
スーパーフードは食品と薬の両方の要素を兼ね備えています。濃縮された強力な栄養価を持ち、私達が普段食べている食品よりもはるかに価値があります。美味しくて、満足感が得られるスーパーフードには生命力や身体の活力を高める力があり、免疫系の活性化、セロトニンの生成量の増加、性的機能の向上、さらには身体のアルカリ化のために最適な選択肢なのです。また、スーパーフードは私たちにタンパク質、ビタミン、ミネラル、糖質栄養素(必須多糖類)、必須脂肪酸などを、十分に与えてくれます。(デイヴィッド・ウォルフ『スーパーフード』 高城剛 監訳 医道の日本社 p8)
と述べています。
うつと心に効くスーパーフードのおすすめは?
しかしスーパーフードといっても様々なものがあり、近ごろは少し栄養価が高いだけで「スーパーフード」になっている食材も多く存在します。
そのため、この記事ではうつの予防や症状緩和に効果的だと思われるスーパーフードを三つ取り上げてみたいと思います。
カカオ
「神様の食べ物」と呼ばれるカカオは、セロトニンが造られるために必要なトリプトファンをはじめとしたアミノ酸や、腸内環境を改善するために効果的な食物繊維、亜鉛や鉄など、うつの症状を改善していくために必要不可欠な栄養素が豊富です。
またカカオに含まれる「テオブロミン」は自律神経を調整し、リラックス効果をもたらしてくれると言われています。
さらに気分をよくする働きがあるとされる「アナンダミド(アナンダマイド)」や、「フェニルエチルアミン(PEA)」といった、恋愛している時や幸福感を感じている特に分泌される成分も含まれていることは、注目に値します。
ちなみにこのようなカカオの栄養効果は、加工処理がなされるココアやチョコレートになると、食べやすくなる分、次第に弱くなっていってしまいます。
カカオ豆→カカオニブ→ココア→チョコレート
そのためカカオはなるべくカカオ豆に近い状態で食べるのが理想的ですが、カカオ豆が食べにくいと感じる方はカカオ豆を砕いた「カカオニブ」を、カカオニブが食べにくい方は、栄養価が低くなりますが、砂糖や添加物が一切加えられていないオーガニックのピュアココア(ココアパウダー)や、ダークチョコレートなどからカカオの栄養素を摂るのが良いと思います。
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太古から存在していたスピルリナには、生命にとって必要な、クロロフィル、タンパク質(アミノ酸)、ビタミン類、ミネラル類、必須脂肪酸、核酸、多糖類、抗酸化物質など、非常に多くの栄養素が含まれています。
特にスピルリナは、タンパク源として非常に優れています。スピルリナのタンパク質成分含有比は65~70%であるとされており、また、動物性のタンパク質より素早く吸収されるといわれています。
スピルリナでアミノ酸補給
以前の記事でも書きましたが、タンパク質は吸収率の問題があるため、すべてのタンパク質がアミノ酸として体内に吸収されるわけではありません。
また、肉や魚を摂っていればタンパク質の不足は起きないと思われるかもしれませんが、動物性食品からタンパク質を摂ったとしても、体内に効率よくアミノ酸として吸収されませんし、肉や魚などの動物性食品は、抗生物質や化学薬品などが家畜の飼育環境で使われている可能性があり、そのことが、私たちの心や体の健康に対して良からぬ影響を与えてしまう可能性があります。
そのためタンパク質は動物性食品から摂るよりも、スピルリナや海藻類、大豆などの植物性食品や、微生物の力によってタンパク質がアミノ酸に近いかたちにすでに分解されている発酵食品などから摂ったほうが良いのです。
それに加えて、スピルリナには「γ(ガンマ)‐リノレン酸(GLA)」という珍しい脂肪酸が含まれていることも注目に値します。
γリノレン酸は母乳や月見草、クロサスグリなどのごく限られた植物からしか摂取出来ない脂肪酸で、炎症性のプロスタグランジンやアラキドン酸代謝の生成を抑える働きをするとされています。
つまり、γリノレン酸にはDHAやEPAと同様、炎症を抑える働きがあるため、アトピー性皮膚炎や関節炎の治療などにも用いられているのですが、うつの症状が脳やからだの慢性的な炎症と関係していると考えた場合、γリノレン酸によってうつ病の症状が改善されるとはいかないまでも、からだの調子が良くなることでうつが和らぐことが期待できるのです。
そのほか、スピルリナには腸内の善玉菌を元気にする効果もあるそうなので、乳酸菌が含まれた飲料などと一緒に摂ると、腸内フローラの改善にも有効だといいます。
ちなみにスピルリナは錠剤のサプリメントやパウダーから摂るのが一般的ですので、関心がある方は栄養補給のためにスピルリナを試してみてください。
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ノニ
ノニは、学名を「モリンダシトリフォリア」といい、熱帯、亜熱帯の地域に広く自生するアカネ科の常緑小高木で、ポリネシア地域では古くから伝承薬として用いられてきました。
このノニには、ビタミン類やミネラル類、アミノ酸、β-カロテンといった栄養素が多く含まれていることに加え、プロキセロニン、スコポレチン、ダムナカンタール、イリドイド、モリンジン、芳香成分テルペン、オレイン酸、リノール酸など140種類以上もの有効成分が含まれていると言われています。
うつに良いといわれる「ノニ」
また、ノニは気持ちを前向きにしたり、気分を高揚させたりするといわれています。
では、なぜノニにはそのような働きがあるのでしょうか?
その理由については解明されていませんが、ノニに含まれるペクチンが腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にしたり、ノニに含まれる「スコポレチン」と呼ばれる成分が、腸のセロトニンの生成を助けたりすることと関係しているといわれています。
うつ病やうつの症状の原因のひとつには、幸せホルモンである「セロトニン」が十分に分泌されなくなっていることが挙げられます
その「セロトニン」はもともと腸内細菌間の伝達物質であり、その約90%以上が腸内に存在しているとされています。
また、腸で作られたセロトニンは脳でそのまま使われることはありませんが、前駆物質として脳に送られます。
そのため、「セロトニン」がスムーズに作られるためには、腸内環境が良く、腸内細菌のバランスが整っていなければならないのです。
もしノニの「スコポレチン」や「ペクチン」が腸でのセロトニンの生成を助けることに関与していれば、セロトニンが脳で作られやすくなるようになることは十分考えられます。
さらにノニに含まれる食物繊維は、糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を抑えるといいますので、糖質制限によってうつの症状を緩和していくためにも、ノニは役立ってくれそうです。
ちなみにノニの栄養素はノニジュースから摂るのが一般的ですが、ノニの風味が合わないという方はぶどうジュースなどを混ぜると飲みやすくなります。
そのほか、ユーグレナ(ミドリムシ)やサジーなどのスーパーフードも、栄養バランスを整えるにオススメです。
以上、スーパーフードの栄養効果がうつの予防と緩和におすすめな理由について述べてきましたが、手軽に栄養素を補うためにスーパーフードと呼ばれる食材は最適ですので、ぜひスーパーフードを毎日の食生活に採り入れてみてください。
また、スーパーフードはこの記事で紹介したもの以外にも、チアシードやキヌア、マキベリーやゴジベリーなど、世界各国に様々なものがあるので、いろいろ試してみて、自分のお気に入りのスーパーフードを発見してみてください。
スーパーフードの多くは粉末状になって製品化されていますので、サラダやヨーグルト、スムージーやグラノーラなどに加えるだけで、簡単に食べることができます。
なお、より詳しくスーパーフードについて知りたいという方は、以下のサイトやブログを参考になさってみてください。
「スーパーフードの栄養効果」