うつを腸内フローラ改善と糖質制限で治すための方法ブログ

うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ改善と糖質制限、DHA)、運動と瞑想で治すための方法ブログです。

アミノ酸・タンパク質の不足と「うつ」との関係とは?

当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善糖質制限)、運動と瞑想で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。

 

今回はアミノ酸・タンパク質の不足と「うつ」との関係についてです。

アミノ酸はタンパク質を構成していることで有名ですが、そのアミノ酸神経伝達物質の材料でもあるため、うつの症状を改善していくためには、必要不可欠な存在です。

 

また、筋肉や骨、皮膚、髪、爪、歯、そしてセロトニンをはじめとしたホルモンなども、おもな材料になっているのはタンパク質であるため、こころとからだの健康を維持するためには、タンパク質をきちんと摂っていかなければなりません(ちなみにセロトニンは「トリプトファン」というアミノ酸から作られます)。

 

ではアミノ酸と、うつなどの心の病には、どのような関係があるのでしょうか?

このことに関しては薬学博士の生田哲氏の『心の病は食事で治す』のなかの記述が参考になります。

 

 わたしたちの発生源であるアミノ酸が正常レベルを下回れば、たいへん困ったことになる。こういうことだ。まず、アミノ酸そのものが伝達物質になる。つぎに、アミノ酸は短い工程で伝達物質のアミンに変身する。そして、アミノ酸がいくつかつながれば伝達物質のペプチドができる。これらの伝達物質は、わたしたちに快感、痛みの緩和、免疫系の強化、老化への抵抗力を与えてくれる。

 したがって、アミノ酸は、うつ病、不安障害、記憶障害など多くの心の病の治療に活用できる。あなたが、脳内でのアミノ酸のはたらきを深く知れば知るほど、その不足が脳内物質のインバランスを引き起こすことを納得されるにちがいない。(生田哲『心の病は食事で治す』p106

 

 

また生田氏はアミノ酸の働きとして以下を挙げています。

 

アミノ酸は、細胞、組織、臓器をつくることで、生体を構築している。

アミノ酸は、人体のすべての箇所を成長させ、傷んだ箇所を修復するのを助ける。

アミノ酸は、食物の消化に必要な酵素だけでなく、伝達物質やホルモンの生産に欠かせない酵素の構成成分となっている。

アミノ酸は、脳内の伝達物質、内分泌系の伝達物質であるホルモン、免疫系の伝達物であるサイトカインとしてはたらき、脳、内分泌系、免疫系をつないでいる。

ブドウ糖の原料になる糖類が不足したときなど、必要に応じて、アミノ酸ブドウ糖に変換されてエネルギーとして利用され、ブドウ糖がつながったグリコーゲンとなって肝臓に貯蔵される。(生田哲『心の病は食事で治す』p109

 

心の病は食事で治す

タンパク質の不足に要注意

このように生田氏が提示するアミノ酸の様々な働きには驚かされるわけですが、懸念すべきは知らないうちにアミノ酸の供給源であるタンパク質が不足してしまっている事態です。実はタンパク質は体内に余分に蓄えておくことができないといいます。

 

このタンパク質の不足と、「うつ」の関係について述べているのは、栄養療法専門家の溝口徹氏です。

 

 身体のなかでは、日々たんぱく質がさかんに使われている。同じ生活パターンを送っていれば、身体で使われるたんぱく質の量もほぼ一定になる。食事から摂るたんぱく質の量もほぼ一定になる。食事から摂るたんぱく質の量が少なくても、使われる量は変わらないのだ。前述したように、蓄えられているたんぱく質はないわけだから、不足した分は、筋肉や血液のなかのたんぱく質で補填されることになる。

 たんぱく質の少ない食事が続けば、身体のたんぱく質がどんどん使われ、体内でたんぱく質不足が起きる。そうして脳や組織への供給源が枯渇していくのである。(「うつ」は食べ物が原因だった!』p153

 

身体のつくり変えに必要なたんぱく質は、常に供給されていなければならない。たんぱく質は脂質や糖質と異なり、〝食いだめ〟ができないのである。ダイエットをするなら、そのときこそ「肉を食べる」のが正しい考え方である。

 なにより、うつ症状を左右する神経伝達物質の材料はたんぱく質。心身ともに健康を保つためには、たんぱく質が欠かせないのである。(「うつ」は食べ物が原因だった!』p85

 

「うつ」は食べ物が原因だった!

 

うつの症状を改善するにはタンパク質をきちんと摂ることが大切

溝口氏がこのように述べている通り、心配なのはダイエットのために一日のタンパク質の摂取量が減ってしまうことです。

 

そのため、ダイエットをしており、タンパク質(アミノ酸)が多く含まれた肉や魚、卵、大豆、海苔などを近頃あまり摂っていないという方は、要注意なのです。

しかしタンパク質が不足しているからといって、焼き肉などを大量に食べ過ぎることは勧められません(ちなみに肉類の摂り過ぎは腸内環境を悪化させます)。

大切なのは、うつの症状を予防したり改善したりするために、不足しないよう毎日の食生活においてバランスよくアミノ酸を摂っていくことです。

 

ところがアミノ酸を効率よく摂るのは、実はなかなか難しいため、アミノ酸を効率良く摂ることができる「スーパーフード」と呼ばれる食材(サジーユーグレナ玄米リブレフラワー、ノニなど)を利用するのも、おすすめの手段です。

 

 脂肪と異なり、アミノ酸は身体に蓄えることができないので、ほぼ毎日、タンパク質を摂らねばならない。その量だが(略)成人は体重一キログラムあたり毎日一グラムのタンパク質を摂らねばならないことが判明している。これは、成人女性なら一日に約五〇グラム、成人男性なら約六〇グラムに相当する。

 必須アミノ酸を脳に供給するには、これらをふんだんに含んだ良質なタンパク質を摂るに限る。(生田哲『食べ物を変えれば脳が変わる』p80

 

 必須アミノ酸を摂るベストの方法は、肉類を食べることだが、エネルギーの摂りすぎはできるだけ抑えたい。それには、脂肪分の少ないタンパク質を選ぶのがよい。低脂肪タンパク質の代表は、魚介類、鶏肉、シチメンチョウ、脂の少ない赤身の肉(ブタ、ウシ、ヒツジ)などである。

 

 ここで注意すべき点は、動物由来のすべてのタンパク質食品には、アラキドン酸が多いことである。アラキドン酸はインスリンの効きめが落ちるインスリン抵抗性の引き金となる炎症を起こす。しかも食品に含まれるアラキドン酸は、タンパク質食品の脂肪分に比例して増えるから、脂肪分の少ないタンパク質を摂取するのがポイントとなる。(生田哲『食べ物を変えれば脳が変わる』p81

 

 

なお、タンパク質・アミノ酸の効果的な摂り方については以下の記事を参考になさってください。

utukaizen.hatenablog.com

 

utukaizen.hatenablog.com