ビタミンB群のうつを改善する効果とは?
当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
今回はビタミンB群のうつを改善する効果についてです。
ビタミンBの種類にはビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンがありますが、ビタミンB群をきちんと摂るようにすることは、うつの症状をやわらげるために大切になってきます。
実は体内のビタミンB群はストレスによって減少してしまいますし、また、お菓子やカップ麺など、加工食品の摂り過ぎもビタミンB群を減らしてしまう原因になるといいます。
特にナイアシンや葉酸、ビタミンB6などは、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の合成のために必要になってきます。そのためビタミンB群が不足してしまうと、セロトニンやドーパミンがスムーズに作られないという問題が生じてきます。
ビタミンB群はすべての神経伝達物質の生合成にかかわっている、きわめて重要な栄養素だ。とくにビタミンB6は、すでに説明したように、たんぱく質がGABAやドーパミン、セロトニンにつくり変えられるところで働いている(略)。
欠乏していることを示す症状で、まずあげなければならないのが睡眠障害。睡眠のリズムが乱れ、昼間に眠くなったり、夜は寝たいのに寝られなくなったりする。(中略)
ビタミンB群の欠乏はまた、集中力が記憶力を低下させるから、情報処理能力がひどく落ちる。(溝口徹『「うつ」は食べ物が原因だった!』p145)
もしB6が不足すれば、「幸福物質」セロトニンの生産が落ちてしまう。脳内はセロトニン不足になるから、何かのきっかけでうつになりやすい。B6はストレスを緩和するが、ストレスはB6を消費する。もしB6不足で、しかもあなたがストレスを受けているなら、うつに向かっているのかもしれない。
B6や葉酸が不足ぎみの人は多い。イギリスのキングスカレッジ病院は、うつや統合失調症の、精神科の入院患者一二三人の血液を調べたところ、その半数は葉酸レベルが低かったことを公表した。そこで、彼らに葉酸か偽薬を六ヵ月間与えたところ、葉酸グループだけに気分の向上が見られたという。葉酸の不足が気落ちの原因となることが分かる。(生田哲『食べ物を変えれば脳が変わる』p88~89)
ビタミンB群を摂取すると不安が軽くなることがある。事実、不安障害に見られる多動、神経質、疲労、うつ、心配、不眠などの症状は、ビタミンB群の一つであるナイアシン(またはナイアシンアミド)の不足によっても生じる。(生田哲『心の病は食事で治す』p157)
ストレスを受けると、副腎からアドレナリンやコルチゾールといったホルモンが放出されてストレスに対抗する。アドレナリンやコルチゾールをつくるには、パントテン酸とビタミンCが必要だ。このため、パントテン酸とビタミンCは「抗ストレスビタミン」と呼ばれている。(生田哲『心の病は食事で治す』p59)
協同して働くビタミンB群
またビタミンB1やB2、B12、ナイアシンやパントテン酸、ビオチンも、心の健康を保つために非常に大切な働きをしています。そして、ビタミンB群は協同して働くため、特定のビタミンBだけを摂るより、様々なビタミンBを一緒に摂るほうが効果的だとされています。
ビタミンB群は互いに協力してはたらき、脳が伝達物質をつくるのを助けている。そのため、B群をいっしょに摂るのが合理的である。あなたが特定のビタミンBを摂る際は、B群複合体やマルチビタミンの摂取も忘れないようにしよう。(生田哲『食べ物を変えれば脳が変わる』p163)
腸内細菌はビタミンB群を作る
ところで、うつの症状をやわらげていくためにビタミンB群を効果的に摂っていく場合、二つの方法があります。
まず一つ目は、ビタミンB群が豊富な納豆や玄米などの食材や、スーパーフードと呼ばれる食品(ノニやサジー、ユーグレナ、青汁など)から摂る方法です。
そして二つ目は、腸内細菌のバランスを整えることで、腸内細菌に作ってもらう方法です。
実は腸内細菌にはビタミンB群を作る働きがあるのです。
腸内細菌が作り出すビタミンは、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビオチン、葉酸、パントテン酸、ビタミンKなどです。
そのため体内のビタミンB群が不足するのを防ぐためには、食物繊維をたくさん摂って腸内細菌のうちの善玉菌を増やし、腸内細菌に作ってもらうことも一つの手段なのです。