人生の失敗とは成功のこと。
当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)、運動と瞑想で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
前回、「失敗の意味は常に変化している理由」について書きました。
今回は「人生の失敗とは成功」である理由について述べてみたいと思います。
前回の記事のおさらいにもなりますが、人生の失敗の意味合いは時間とともに常に変化するので、人生に失敗はないのです。
いまの時点で「失敗した~!!」と思っていたとしても、特定の行為に対して「失敗」だと決めつけてしまう(固定してしまう)のは、常に自分自身なのです。
そのため、何か失敗して落ち込んだとしても、しばらく時間が経ち、思いがけない<好運>に出会えたとしたら、その好運は過去の失敗が運んできたと言えるのです。
すなわち、「失敗は成功のもと」なのです。
このことは、実はネガティブとポジティブの関係に似ています。
「わたしはネガティブな性格だ」といったように、ネガティブという言葉は何か良くないニュアンスがつきまといますが、「ネガティブ=悪い」わけではありません。
ネガティブとポジティブは表裏一体の関係で、片方(ネガティブ)が成立しているからこそ、もう片方(ポジティブ)が成立しているにすぎず、どちらか一方に「良い」「悪い」があるわけではないのです。
つまり、ネガティブとポジティブとは、「陰」と「陽」の関係のことなのですが、⇑の画像をよく見ていただくと分かるように、実は陰のなかには「陽」が、陽のなかには「陰」があるのです。
そのため、「ネガティブ=悪い事」「ポジティブ=良い事」と決めつけてしまいがちになりますが、何が良くて何が悪いかは、絶対的ではなく、常にその時の状況によって変わってくるのです(相対的)。
このあたりのことに関しては、以前の記事「うつから脱け出すためのネガティブとポジティブの取り扱い方」でも書きましたが、『運力 あなたの人生はこれで決まる』という本のなかで、著者の天外伺朗氏が以下のように述べていることが印象的です。
意識レベルでは「すべてをプラスにとらえなければいけない」と思って、プラスにプラスに考えをめぐらせるのですが、無意識レベルでは、すっかりマイナスの考えにとらわれており、なんの光明も見出せなくて、絶望していることが多いのです。
もちろん身体のレベルは、無意識のコントロール下にありますので、表面的にうまくいっているプラス思考とは裏腹に、身体には絶望の症状が出てきます。
この場合には、プラス思考の努力をすればするほど、意識レベルと無意識レベルのギャップは大きくなり、どんどん泥沼にはまっていきます。身体が、そのギャップに耐えられなくなると、うつ病になります。
(中略)
つまり、自分を取り巻く状況がとてもひどいなかで、本人は、懸命にプラス思考をしようとするのだけれども、ふと気がつくと、マイナスの考えに陥っている自分を発見する、ということです。これは、多くの読者が体験しておられると思います。(天外伺朗『運力 あなたの人生はこれで決まる』 p26~27)
また、天外伺朗氏は、
「もし、マイナス思考にとらわれている自分を発見したら、無理矢理にプラス思考をしようとはしないで、マイナス思考をしている自分を、そっくりそのまま認め、受容してあげることがおすすめです」
と述べています。
つまり、マイナス思考に囚われているときは、マイナス思考に囚われている自分を否定したり、排除したりしないことが大切なのです。マイナス思考に囚われている自分も、自分自身なのだという理由から、「そっくりそのまま認め、受容してあげる」ことが必要になってくるのです。
マイナス思考に陥ったら呼吸や1分間のマインドフルネス瞑想で心の調子を整えてみる
このことは「失敗」と「成功」の関係についても同じであるような気がします。
失敗の連続でつらい状況に陥った時、マイナス思考に陥って自分を責め続けるよりも、失敗した自分を、自分で受け容れてあげた方が、心がラクになります。
しかしマイナス思考に陥っている時ほど、自分で自分を受け容れることは難しいですから、そのときやってみるに値することといえば、占いなどで自分の運勢を確かめることではなく、呼吸を深めることです。
また、呼吸を深めながら、1分間で良いので、気づきの瞑想である「マインドフルネス瞑想」を行ってみるのも良いと思います。
禅の世界に、「調心・調息・調身」という言葉がありますが、自分が悲観的に捉えてしまっていることを、ニュートラルもしくは楽観的に捉えられるようにするための最大の秘訣は、息を深め、さらに、からだとこころのバランスを整えることだと思われるのです。
もし深い呼吸によって心の状態が整って余裕ができてくれば、一つの物事に対して、違う見方が出来やすくなります。
要するに呼吸を深めたり、マインドフルネス瞑想を実践したりすることによって、自分を観察するようにすることが大事なのです。
そして、自分は大きな失敗をした、過ちをおかした、と思って悩んでいたとしても、時間とともに、「失敗」の意味は常に変化している、ということに気づければ、だんだん気持ちが楽になってきます。
繰り返しますが、「失敗」を「失敗」だと固定しているのは、常に自分自身なのです。
何でも頑張り過ぎず、呼吸や瞑想によって自分をゆるめてあげれば、固定された「失敗」の意味も、だんだん変わってくるのです。
そして、「失敗」とか「成功」とかいう言葉は、現代社会においては、お金・経済的な意味で使われており、月収や年収の額で人を評価する傾向が強いですが、動物や植物など、ありとあらゆる生命にとっては、「生きている」ことが、すでに「成功」なのであり、「奇蹟」なのです。
すなわち、たとえ自分の人生は失敗の連続だったと思い込んでいたとしても、失敗の意味合いは常に変化していますし、どのような人生を送っているのであれ、<わたし>という唯一無二の存在が、いま生きているだけで、すでにそのことは「奇蹟」であり、「成功」なのです。
うつを緩和するには、腸内環境の改善と糖質制限、食事・運動・瞑想が大切です。