うつから脱け出すためのネガティブとポジティブの取り扱い方
当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)、運動と瞑想で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
今回は少しでもうつから脱け出すためのネガティブとポジティブの取り扱い方についてです。
ストレスや疲労が原因で、元気がなくなり、うつの状態がやってくると、物事を悲観的に捉えてしまうことが多くなると思われますし、そのような経験は私にもあります。
しかしネガティブな状態の時ほど、ポジティブになることは難しいと思われます。
そのため、ネガティブとポジティブの取り扱い方について考えてみることは、心の健康を良好に保ち、なるべく楽観的でいるために大切になってきます。
また、ネガティブとポジティブは「幸運」や「引き寄せの法則」とも関係してくるのです。
もちろん、ネガティブとポジティブの取り扱い方といっても、この記事の内容は、私の経験に基づくものでもあるので、関心がある方は参考程度に読んで頂ければと思います。
ちなみにこの記事のポイントは、以下の通りです。
- 人生にはポジティブだけではなくネガティブも必要
- 光が生まれるところには、必ず影が生じる
- たとえ不運であっても、その後に必ず幸運がやってくるので、大切なのは幸運を感じられるよう、呼吸や瞑想、運動などで心と体のバランスを整えること
よく自己啓発本には、うつを脱け出すために大切なことは、「ポジティブ思考」が大切だと書かれています。
しかし単純な「ポジティブ思考」の落とし穴は、「いつもポジティブでいなくちゃ」と思うことで、そのことが、「~したい・やりたい(want to)」ではなく「~しなければならない(have to)」とある種のプレッシャーになってしまうことです。
そうなってしまうと、「ネガティブ」であることは悪いことだと思うようになってしまい、自分がネガティブな状態であるということから目を背けるようになってしまう可能性がでてきます。
もちろん、「引き寄せの法則」について書かれた本などには、常に明るくポジティブでいるほうが、ハッピーな出来事を引き寄せやすいと書かれています。
しかし、『運力 あなたの人生はこれで決まる』という本のなかで、著者の天外伺朗氏は以下のように述べています。
意識レベルでは「すべてをプラスにとらえなければいけない」と思って、プラスにプラスに考えをめぐらせるのですが、無意識レベルでは、すっかりマイナスの考えにとらわれており、なんの光明も見出せなくて、絶望していることが多いのです。
もちろん身体のレベルは、無意識のコントロール下にありますので、表面的にうまくいっているプラス思考とは裏腹に、身体には絶望の症状が出てきます。
この場合には、プラス思考の努力をすればするほど、意識レベルと無意識レベルのギャップは大きくなり、どんどん泥沼にはまっていきます。身体が、そのギャップに耐えられなくなると、うつ病になります。
(中略)
つまり、自分を取り巻く状況がとてもひどいなかで、本人は、懸命にプラス思考をしようとするのだけれども、ふと気がつくと、マイナスの考えに陥っている自分を発見する、ということです。これは、多くの読者が体験しておられると思います。(天外伺朗『運力 あなたの人生はこれで決まる』 p26~27)
すなわち、人生とはそれほど単純ではなく、「すべてをプラスにとらえなければいけない」と思えば思うほど、幸運は離れていってしまうのです。
無理にポジティブにならずネガティブを受け容れる
では、不運の連続に直面し、マイナス思考に陥っている際は、どうすれば良いのでしょうか?
このことに関して天外伺朗氏は「もし、マイナス思考にとらわれている自分を発見したら、無理矢理にプラス思考をしようとはしないで、マイナス思考をしている自分を、そっくりそのまま認め、受容してあげることがおすすめです」と述べています。
つまり、マイナス思考に囚われている自分を否定したり、排除したりしないことが大切なのです。
実際、不運の連続でつらい状況に陥った時、その現実から目を背けて無理矢理プラス思考(ポジティブ)をしようとするよりも、マイナス思考(ネガティブ)に陥っている自分を受けて入れてあげた方が、心がラクになります。
長い人生においては、自分にとって良いことも悪いことも起こりますし、光が生じるところには、必ず影が生まれるのです。
ちなみに天外伺朗氏は『運力』のなかで、人生における運命には波のような性質があるため、常に幸運な状態というものはないと述べています。
運命は、必ずピークとボトムをともなう。ピークだけの人生はありえない。
ピークは、一般的に言う「運のいい状態」であり、その流れを「外的運命」と呼ぶ。
ボトムは、表面的には「運の悪い」状態だが、その背後には、目に見えない好運の流れである「内的運命」のエネルギーが高い。両者のエネルギーを合計すると、つねに一定であり、好運も不運もない。
それとは別に、運力が強くなると、ボトムのなかでも内的運命を見出すことができるようになり、その人にとっては好運も不運もなくなる。(天外伺朗『運力 あなたの人生はこれで決まる』p48)
運命とはピークとボトムを繰り返す波のようなもの。
他人から「運が良い」と言われる人は、たとえどん底の状態であっても、そこに「好運の流れ」を見つけられるのですが、そのようになるのはそれほど簡単ではなく、メンタル面のトレーニングがかなり必要になります。
しかし、自分が「うつ」だなあと感じた時、たとえ不運な状況に見舞われたとしても、いずれ好運が訪れることをあらかじめ知っておくことで、うまく困難をやり過ごすことが出来れば、その後に、曇り空がいつか必ず晴れるように、事態は好転していきます。
つまり、大きな波としての運命の流れは、好運と不運が、かわるがわる順番にやって来るため、どん底にいる時は、むりにポジティブになろうとしてプラス思考するよりも、マイナス思考をしているネガティブな自分を受け入れてあげたほうが、やがて好運が訪れやすいのです。
呼吸・運動・食事で心の状態を整えることが好運を引き寄せる
ところが、そうはいっても、イライラしたり落ち込んだりしている時は、物事を必要以上に悲観的に捉えてしまいがちになってしまいます。
そのため、もし不運の連続に直面して、絶望的な気分に陥りそうになった時は、呼吸を深めることで、心の調子を整えることが必要になってきます。
禅の世界に、「調心・調息・調身」という言葉がありますが、自分が悲観的に捉えてしまっていることを、ニュートラルもしくは楽観的に捉えられるようにするための最大の秘訣は、息を深め、さらに、からだとこころのバランスを整えることだと思われます。
もし心の状態が整って余裕ができれば、一つの物事に対して、違う見方が出来やすくなります。
また、心の状態が整っており、調子が良いと感じられる時の方が、自分にとって不運だと感じられることに対して、それほどネガティブな反応をすることは少なくなりますし、これまで気づくことがなかった、目の前にある幸運にも気づきやすくなります。
そして、そのために大切になってくるのは、日頃から呼吸と瞑想、適度な運動を行なうことです。
さらに、心の状態を良好に保つためには、毎日の食事のなかで、自分が摂るものに気をつけることも重要です。
しかし食べ物に関しては、食品添加物などに神経質になりすぎると、楽しく食事が出来なくなってしまいますので、そうなってしまうよりは、一人でも大勢でも、楽しく食事を行なった方が心の栄養になります。
以上、ここまでネガティブとポジティブの取り扱い方について述べてみましたが、人生のなかで幸運やハッピーな出来事を少しでも多く見つけられるようにする秘訣は、日頃から食生活に気をつけるとともに、呼吸と運動、瞑想によって心と体のバランスを整えるようにすることなのです。