<ヨガ>がうつをやわらげ、うつ病を予防する理由
当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)、運動と瞑想で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
前回は、うつを解消するために、<いのちの働き>を感じる方法ついて書きましたが、今回はヨガがうつをやわらげ、うつ病を予防する理由について述べていきたいと思います。
前回の記事では、ゆっくりとした運動を行うことで、自分の<からだ>があること、すなわち生きている事、<いのちの働き>に気づきやすくなると述べました。
反対に、普段から頭で考えてばかりだったり、俯いて猫背の姿勢でスマートフォンなどを操作し続けていたりすると、身体性を意識しにくくなり、からだも柔軟性を失って固くなってしまいます。
しかし<いのちの働き>を感じられるような、ゆっくりとした運動によって<からだ>が良い方向に変わることが出来れば、その分、心の状態も良い方向へ変化していくことは十分考えられるのです。
ゆっくりと動くことによって、これまで自分が感じることが少なかったカラダの部分を微細に感じられるようになれば、そのことが、<いのちの働き>を感じることにつながっていきます。
そのためには億劫にならないような、自分が始めやすい運動を見つけてみると良いと思いますが、ここではゆっくりとした運動のひとつとして、<ヨガ>をオススメしたいと思います。
なぜヨガがおすすめなのかといえば、ゆっくりとした動きでポーズをとるようにするヨガは、自分のからだを観察したり、感じたりするのに、最適だからです。
そして、地道にヨガを続けることで、心身の状態が整えば、うつの症状が改善されたり、うつ病の発症予防につながったりすることは、十分考えられます。
身体が硬い人のほうがヨガに向いている
しかし「ヨガ」といっても、「自分はからだが硬いからヨガには向かない」と思ったり、テレビや雑誌などでモデルが難しいポーズをとっているのを見て、「あんなポーズは自分には出来ない」と感じたりすることで、どこかヨガを始めることを敬遠してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ところが、ヨーガ指導者として有名な成瀬雅春氏は、『体が硬くても簡単にできる! 究極のシンプル・ヨーガ』のなかで、「むしろ、体が硬い人のほうが、ヨーガには向いている」と述べています。
体のメンテナンスに便利なのがヨーガです。古来、ヨーガ行者が研鑽を積み重ねて、ヨーガのいろいろなポーズ(アーサナ)や呼吸法、集中法、瞑想法などを作り上げてきました。数千年にわたる数多くのヨーガ行者の叡智の結集は、私たち人間が生きていくうえでとても便利な道具といっていいでしょう。(成瀬雅春『体が硬くても簡単にできる! 究極のシンプル・ヨーガ』p2)
しかし、ヨーガには誤解があり、その名前を聞いただけで、「私は体が硬くてとても無理」「もう年なので絶対にできない」と考える人も多いようです。
ヨーガのポーズには、体の硬い人には確かに不向きなものも多いことは事実です。しかし、ヨーガの目的とは、心の柔軟性を高めて自分を知ることであり、難しいポーズを決めることでも、体を軟らかくすることでもありません。
むしろ、体が硬い人のほうが、ヨーガには向いているのです。(同)
体を動かしたときに、体を含めて自らの内側をつぶさに観察できるのは、体の軟らかい人ではなく、むしろ体の硬い人です。体の軟らかい人は、無意識のうちに体を自由に動かせるので、自分への観察がおざなりになったりすることがままあるのです。(成瀬雅春『体が硬くても簡単にできる! 究極のシンプル・ヨーガ』p3)
ヨガを生活にとりいれると、心身のバランスが整う
成瀬雅春氏も述べているように、ヨガを行う目的は、自分自身のからだを観察することなのであって、けっして美しいポーズをとることではないのです。
また、無理に体を軟らかくする必要もなく、「ヨガ」を行いながら自分のからだを感じることで、呼吸が深まり、血流が良くなり、気分が落ち込むことが少なくなって、生きていることが気持ちいいと感じられるようになれば、それで良いのです。
このように述べるのは、実は私自身が、元々からだが硬く、長年ヨガを続けていても、難しいポーズはなかなかとれないからなのです。
しかし、ヨガを生活にとりいれることによって、心身のバランスが整い、そのことによって毎日生きることが楽になったことは確かです。
したがって、最初から難しいポーズに挑戦せず、無駄な力を抜き、呼吸を深めながら、からだを倒す、ひねる、反るなどの動作をゆっくりと行うだけでも、心身の健康のために効果的だと思うのです。
また、特に体が硬いと思っている方に、先程の成瀬雅春氏の『体が硬くても簡単にできる! 究極のシンプル・ヨーガ』を側に置きながら、ヨガを試してみると良いと思います。
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そのほか、最初に述べたように、ヨガは<いのちの働き>を感じるためにオススメです。
ヨガでは、私たちが生きているのは自分の力ではなく、また、人格化された特別な神の力によるのでもなく、すべてを活かしてくださっている力、根本的な意味での「神」、自然・宇宙の活かす力によっている、と考えています。
(略)
個体の外の働きとは、宇宙・地球のあらゆる生命・物質が互いを活かし合う形で、個体としての存在を可能ならしめている働きのことであり、内なる働きとは、個体の中で働いている生命力のことです。ただしそれも個体の中で他と無関係に単独に働いているわけではありません。(龍村修『生き方としてのヨガ』p44)
うつを緩和するには、腸内環境の改善と糖質制限、食事・運動・瞑想が大切です。