うつを腸内フローラ改善と糖質制限で治すための方法ブログ

うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ改善と糖質制限、DHA)、運動と瞑想で治すための方法ブログです。

タンパク質・アミノ酸の効果的な摂り方とは?

当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善糖質制限)、運動と瞑想で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。

 

前回の記事ではタンパク質・アミノ酸の不足と「うつ」との関係について述べましたが、今回はタンパク質・アミノ酸の効果的な摂り方についてです。

 

うつの症状を左右する神経伝達物質の材料はタンパク質であるため、ダイエットをしている最中などにタンパク質(アミノ酸)が不足してしまうことには要注意なのだと前回の記事では書きましたが、かといって闇雲に肉や魚を食べてタンパク質を摂れば良いというわけではありません。

実はタンパク質をきちんと摂ってアミノ酸を補充するということは、意外と難しいのです。

その理由については主に二つが挙げられます。

 

1、タンパク質はアミノ酸にまで分解するのが大変

2、食材に含まれているタンパク質は、全てが吸収されるわけではない。

 

まず最初にタンパク質についてかなり大ざっぱに説明しますが、「タンパク質」とは20種類の L-アミノ酸がペプチド結合してできた化合物のことであり、一般的にアミノ酸の数が50まではポリペプチド、50以上のアミノ酸の連なりはタンパク質と呼ばれているのです。

そのタンパク質をアミノ酸レベルにまで分解するのが主に腸から分泌される消化酵素なのですが、消化酵素が全てのタンパク質をきちんとアミノ酸に分解してくれるかといったら、そうではないのです。

このあたりのことについては、酵素栄養学の第一人者である鶴見隆史氏が『現代版 食物養生法』のなかで述べていますので、引用したいと思います。

 

 食物で摂ったタンパク質は大分子なので、そのままではまったく吸収されませんが、アミノ酸は小(低)分子であり腸から吸収される大きさです。そして、タンパク質がアミノ酸にすんなり消化されればまったく問題は起こりません。

 今までの栄養学ではタンパク質は腸管ではほとんどアミノ酸になると信じられてきました。ところが栄養学が発達するにつれ(実は最近ですが)、そうではなく、アミノ酸(柱一本)になる率は一〇%以内(場合によっては数%)という場合があることがわかってきました。そして、大きな分子のタンパク質や極小分子のアミノ酸の途中の段階で終わってしまうのです。

 この途中の段階を窒素残留物(ポリペプチド)といいます。この窒素残留物が、実は人体に大変有害な物質であるため、この段階で消化がストップすることが問題となるのです。(鶴見隆史『現代版 食物養生法』p198~199

 

そして、タンパク質が消化不良によって窒素残留物として、腸内にとどまると、腸内の悪玉菌を増やしたり、毒素を発生させたりするとされています。

そのため、肉などからタンパク質をたくさん摂り過ぎることは、アミノ酸を補充するどころか、アミノ酸を吸収できないまま、腸内環境を悪化させてしまい、体調不良や病気やアレルギーを引き起こす原因になる可能性が生じてきてしまうのです。

したがって、ここではまず、タンパク質を摂っても全てがアミノ酸として吸収されるわけではないということを、初めてお知りになられた方は憶えておいていただきたいと思います。

現代版 食物養生法

タンパク質・アミノ酸を効果的に摂るには?

ではタンパク質をアミノ酸として効果的に摂るにはどうすれば良いのでしょうか?

まず一つ目は「プロテインスコア」を意識することが挙げられます。

プロテインスコアとは、食品中のタンパク質にアミノ酸がどれくらいバランスよく含まれているかを示す値のことです。

この「プロテインスコアを考えた食べ合わせ」を栄養療法の専門家である溝口徹氏はタンパク質の効果的な摂り方として勧めています。

 

 たとえば、食品中のたんぱく質アミノ酸がどれほどバランスよく含まれているかを示す値に「プロテインスコア」という基準がある。卵を100とすると、肉や魚は80~90と比較的高いのだが、肉や魚は火を通して食べることが多い。その結果、調理方法によって栄養素が減ってしまうことがある。

 欲をいえば、肉や魚類は可能なかぎり〝生〟がいいということになる。たとえば、牛肉などはウェルダンに焼いてしまうのではなく、レアやミディアムレアくらいに焼いて食べると、たんぱく質の摂取量は高くなる。たんぱく質の吸収から考えると、魚も刺身で食べるほうが効率よく摂ることができるというわけだ。(「うつ」は食べ物が原因だった!』p189~190

 

「冷や奴にはネギとショウガが欠かせない」という人は、そこにぜひカツオ節を加えてみてほしい。カツオ節はプロテインスコア90の食材。植物性のたんぱく質である豆腐のアミノ酸バランスの欠点を補う働きをするというわけだ。

 納豆を食べる際にも、「ネギとカラシ」が基本という向きもあるかもしれないが、生卵をまぜて食べるほうが、バランスとしてはいい食べ合わせということになる。

 卵も火を通すとたんぱく質の構造が変わってしまう食材だが、たとえば、卵丼を食べるときも、溶いて火を通す卵を1個にして、もう1個は生卵としてうえにのせるといったことでも、摂取できる栄養素の量は変わってくる。(「うつ」は食べ物が原因だった!』p192

 

このように「プロテインスコアを考えた食べ合わせ」を考えてみることは、アミノ酸をバランスよくを効果的に摂るためのひとつの手段だといえます。

(ちなみに、溝口氏も注意していますが、ここではプロテインスコアのために肉や魚は何でも生で食べろといっているわけではありません)。

「うつ」は食べ物が原因だった!

発酵食品を利用してアミノ酸を豊富に摂る

もうひとつ、タンパク質・アミノ酸の効果的な摂り方としてオススメしたいのは、発酵食品を利用することです。

発酵食品においては、微生物が分泌する酵素のちからによって、食べる前からタンパク質が分解されています。そのため、発酵食品は他の食品と比べると栄養素の消化吸収率が良いのです。

先程引用した鶴見隆史氏の『現代版 食物養生法』のなかにも、

 

 発酵のすばらしさはタンパクが多くなること、そしてそのタンパクが限りなくアミノ酸に近くなることがあげられます。発酵食品として有名なものは、高野豆腐、おから、生湯葉、しっかり発酵させた納豆(ワラ納豆)、豆腐、生味噌又は味噌汁、がんもどき、油揚げ(厚揚げ)、すべての植物の乾物、豆ふよう、キナコ(特にキナコゲン)、かつおぶし、魚の干物等があり、これらがきわめて質の良いタンパク質となります。(鶴見隆史『現代版 食物養生法』p202~203

 

と、あります。

ちなみに酵素はパイナップルなどの果物にも食物酵素として含まれていますので、パイナップルで肉をやわらかくするといった工夫などで、食物酵素をうまく利用することも、タンパク質を消化・分解しやすくすることにつながります。

よく噛んで食べることも大切

最後にもうひとつ重要になってくるのは、肉や魚を食べる際に、よく噛んで食べるということです。タンパク質を含めた栄養素の消化吸収率を上げるには、まず食べ物を口のなかでよく噛んで、なるべく胃腸(の消化酵素)に負担をかけないようにすることが大切なのです。

 

以上、ここまでタンパク質・アミノ酸の効果的な摂り方について述べてきましたが、この記事でご紹介したタンパク質の摂り方のポイントは、

  1. プロテインスコア
  2. 食物酵素や発酵食品の利用
  3. よく噛んで食べる

の三つです。

 

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