うつの予防のために正しい油の摂り方とオメガ3(DHA・EPA・α‐リノレン酸)脂肪酸が大切な理由
当ブログではうつ病予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
今回はうつの予防のために、正しい油の摂り方とオメガ3(DHA・EPA・α‐リノレン酸)脂肪酸が大切な理由について書いていきたいと思います。
ではなぜうつの予防のために油(脂質)の摂り方が重要になってくるのでしょうか?
また心と体の健康のためにオメガ3(DHA・EPA・α‐リノレン酸)脂肪酸が必要になってくるのでしょうか?
近年、油(脂質・脂肪)は摂ると太りやすくなるというイメージのために、何かと敬遠されがちですが、正しい油の摂り方を知れば、肥満などの生活習慣病を予防すると同時に、からだとこころの健康を助けてくれます。
たとえば、脳の約6割は脂肪で出来ており、さらにその4割はDHAによって形成されていると言われているため、油の摂り方を知ることは、脳の神経細胞の健康を維持することにもつながっていきます。
それに加えて、脂質は脳の細胞膜の形成にも非常に大切な役割を果たしているため、正しく脂質を摂ることは、脳機能の改善にもつながってきます。
特にオメガ3(DHA・EPA・α‐リノレン酸)脂肪酸のうちのDHAは脳機能を考えるうえで大変重要になってきますので、うつの症状を少しでもやわらげるためには、きちんと摂るようにしなければなりません。
また、脂質は糖質の代わりの貯蔵率の良いエネルギー源になったり、脂溶性ビタミンの吸収を助けたりしています。
それ以外にも、リン脂質、糖脂質、コレステロールは生体膜の成分となって、細胞の働きを維持するという重要な役割を果たしています。
脂肪酸の種類
名称 | 脂肪酸の種類 | 含まれる主な食品 |
飽和脂肪酸 | 酪酸、ミリスチン酸、アラキジン酸など | バター、ココナッツオイル |
多価不飽和脂肪酸 オメガ3 |
α‐リノレン酸、DHA、EPA | 亜麻仁油、えごま油、シソ油、魚油など |
多価不飽和脂肪酸 オメガ6 |
リノール酸、アラキドン酸 | サラダ油、紅花油、ごま油、コーン油、肝油など |
一価不飽和脂肪酸 オメガ9 |
オレイン酸、パリミトレイン酸 | オリーブオイル、椿油など |
うつの予防のために正しい油の摂り方とは?
ではうつの症状を少しでもやわらげ、改善の方向へ向かわせるためには、日頃の食生活でどのような油を多く摂る必要があるのでしょうか?
ひとくちに脂肪酸といっても様々な種類がありますが、まず大切なのは体に必要な必須脂肪酸を摂ることです。なぜなら必須脂肪酸は体内で十分に合成することができないため、食事から補って行かなければならないのです。
その「必須脂肪酸」には「オメガ3」と「オメガ6」の2種類があります。
「オメガ3脂肪酸」とは、先程も述べましたが、DHA・EPA・α‐リノレン酸のことです。
このふたつは血液に対して相反する働きがあり、「オメガ3」は血液をサラサラに、「オメガ6」は血液を固まらせる方向へ向かわせる性質があります。
では、必須脂肪酸である「オメガ3」と「オメガ6」をただ漫然と摂っていけば良いのかといえば、必ずしもそうであるとは言い切れないのです。
なぜなら、現代社会においてはオメガ6のリノール酸を、自宅で使っているサラダ油や、ファーストフード、加工食品、お菓子などから大量に摂り過ぎている可能性があるからです。
またそれら以外にも、リノール酸はマヨネーズやドレッシングなどにも多く含まれているため、知らないうちに十分な量が体内に入ってきています。
オメガ6の脂肪酸にも細胞膜やホルモンをつくる働きがあることは確かですが、過剰摂取はアトピー性皮膚炎などアレルギー症状を引き起こしたりするとされています。
ちなみに脳の専門医の山嶋哲盛氏はリノール酸が含まれているサラダ油の摂り過ぎは、認知症発症のリスクを高めるとしており、脳の健康のためには、リノール酸の過剰摂取は好ましくないと考えられます。(参考 山嶋哲盛『サラダ油をやめれば認知症にならない』)
うつの予防のために重要なのはオメガ3脂肪酸を多く摂ること
一方、(先程も少し触れましたが)オメガ6の働きに対して、相反する働きをするのが「オメガ3」なのです。
そのため、現代社会における体と心の健康のための油の摂り方とは、オメガ6(主にリノール酸)を減らし、替わりにオメガ3脂肪酸を多く摂る、ということになります。
ちなみにオメガ3脂肪酸がうつ病の改善に効果を発揮するという研究データを紹介している研究者もいます。(参考 奥山治美『オリーブオイル・サラダ油は今すぐやめなさい!』)
また、オメガ3脂肪酸のうちのDHAは、脳の細胞膜(リン脂質)の形成にも深く関与しているため、判断力や記憶力など、脳の認知機能の改善にも効果を発揮すると言われています。(参考 生田哲『食べ物を変えれば脳が変わる』)
つまり、うつを予防したり、心の健康を保ったりするためには、過剰摂取になりがちなオメガ6(リノール酸)に対し、バランスを取るようにして、オメガ3の必須脂肪酸も多くしていくことが大切なのです。
ちなみにオメガ3とオメガ6とのバランスについては、「1:2」や「1:1」が望ましいとされています。
オメガ3脂肪酸はイワシやサバなどの青魚に多く含まれていますが、なかなか普段の食事で青魚を食べることができないという方は、青魚の知的栄養素【DHA&EPA+サチャインチ】 などのサプリメントを利用することも手段のひとつです。
また、亜麻仁油やえごま油に含まれているα‐リノレン酸は、体内で1~2割がDHAやEPAに変換されます。
そのため、食卓に亜麻仁油やえごま油を並べ、オメガ3脂肪酸は一般的に熱に弱いとされているため、炒め物や揚げ物に使わず、サッとサラダや惣菜などにかけることは、オメガ3脂肪酸の慢性的な不足を解消するのをサポートしてくれます。
以上、うつの予防のために正しい油の摂り方とオメガ3(DHA・EPA・α‐リノレン酸)脂肪酸が大切な理由について述べてきましたが、もしオメガ3脂肪酸を日頃の食生活であまり摂っていないと感じたら、サラダ油などに含まれるオメガ6脂肪酸とバランスを取るようにして、少し多めにオメガ3脂肪酸を摂るようにしてみてください。
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そのほか、心の健康維持のためには、トランス脂肪酸の摂り過ぎも要注意です。