うつの改善にスロージョギングが効果的である理由
当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)、運動と瞑想で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
今回はうつの改善に効果的な運動として、スロージョギングを紹介したいと思います。
「スロージョギング」とはその名の通り、普通のジョギングよりもゆっくりと走るジョギングのことです。このスロージョギングには、競争しようとして無理にペースを上げる必要は無く、笑顔を保てるくらいの自分のペースで行えるという利点があります。
自分のペースで行える「スロージョギング」。
激しい運動ではなく、適度な有酸素運動は、うつの症状を改善するのに効果を発揮するといわれていますが、このスロージョギングの、焦る必要がなくマイペースでOK!だという点が、うつを改善するための運動として、他の運動よりもオススメできる理由なのです。
うつ病は、重症化してしまうと治療しにくく、治療に長い時間が必要となる病気です。ふだんから心と体のメンテナンスを行いうつを防ぐこと、あるいはうつ病にかかっているなら早めに治療することが重要であるといえます。
そして、うつ病の予防や治療にはスロージョギングのような習慣な運動が有効であることがわかっています。うつ病患者に定期的な運動療法を行うことで、抗うつ剤の投与量を減らすことができた、あるいはうつ病が治ったという報告は非常にたくさんあります。(久保田競 田中宏暁『仕事に効く、脳を鍛える、スロージョギング』 角川グループパブリッシング p48~49)
そのスロージョギングを行う際のポイントは以下の通りです。また具体的な行い方については動画を参考になさってください。
スロージョギングのポイント
- 走る距離やスピードより、大切なのは「にこにこペース」
- はじめの目標は1日15分
- 足の指の付け根で着地する「フォアフット・ランニング」
- 2本のレールの上を走るイメージで
- あごをひくのではなく〝あごをあげて〟走る
- 呼吸は自然にゆったりと
- 走り終わったらストレッチ(久保田競 田中宏暁『仕事に効く、脳を鍛える、スロージョギング』より)
スロージョギングはストレス対策としても有効
またうつの症状が起きてくる原因のひとつとして、職場や学校の人間関係などによるストレスがありますが、スロージョギングは、
- 「ストレスを忘れるための運動」
- 「ストレスを快楽刺激にするための運動」
であるため、ストレス対策としても有効だといいます。
スロージョギングは前頭前野や運動野などを大いに刺激するほかに、ふだん使わない部分の脳をさかんに使用することで、使用している部位を休めることができます。また、これまでにも述べているように、走ることで脳の各部位が発達することに加えて、有酸素運動を行うとBDNFなどの脳細胞を増殖し、保護する物質が放出されます。(久保田競 田中宏暁『仕事に効く、脳を鍛える、スロージョギング』 角川グループパブリッシング p162)
これらの物質は傷つけられた神経細胞を保護するとともに、増殖させ、あるいはコルチゾールで短くなったシナプスを再度伸ばす働きを持っています。つまり、ストレスで傷ついた脳が副交感神経の活性化で回復するのを大いに助けてくれるのです。(久保田競 田中宏暁『仕事に効く、脳を鍛える、スロージョギング』 角川グループパブリッシング p162~163)
不眠症対策としても効果的なスロージョギング
さらにうつの症状は不眠とも深く関係していますが、スロージョギングは自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを整える働きがあることから、不眠症対策としても効果を発揮するといいます。
(略)体に負担の小さいにこにこペースのスロージョギングは、有酸素運動効果で脳を鍛え、血の巡りを良くしてさまざまな病気を防ぎ、そして眠りやすい環境を作って不眠を改善できる、うつ病の予防手段として優秀な運動だといえるでしょう。ただし、うつ病の人が自分から走り出すことはありません。誰かが一緒に走ってあげる必要があります。(久保田競 田中宏暁『仕事に効く、脳を鍛える、スロージョギング』 角川グループパブリッシング p118~119)
以上、うつの改善にスロージョギングが効果的である理由について述べてきましたが、スロージョギングを日頃から行うことは、重いうつ病を患うのを予防したり、うつの症状をやわらげたりするために有効だと思われますので、ぜひスロージョギングをうつ対策の運動として、日々の生活に採り入れてみてください。