乳酸菌がうつの予防とストレス緩和に効果的な理由とは?
当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
今回は乳酸菌がうつの予防とストレス緩和に効果的な理由についてです。
乳酸菌は腸内フローラのバランスを改善したり、腸内環境を整えたりするために、必要不可欠な存在ですが、乳酸菌を摂るようにすることと、うつの症状をやわらげたり、うつを防いだりすることとは、どのような関係があるのでしょうか?
(腸内フローラの改善とうつの症状の緩和との関係性については、以下の記事をご覧ください。)
まず、乳酸菌がうつの症状をやわらげたり、うつを防いだりすることに関して注目したいのは、乳酸菌のストレスを緩和する効果です。
過度のストレスを感じると、腸内の善玉菌が減少し、代わりに悪玉菌が増殖することはよく知られていますが、最近の研究では、乳酸菌がストレスに直接的に関わっていることが分かってきたとされているのです。
たとえば、ヨーグルトの摂取によりストレス情報の伝達を抑制されたり、一部の乳酸菌を摂ることで、唾液中のコルチゾール(ストレスホルモン)が抑制されたりしたそうです。
また、これはマウス研究ですが、無菌マウスは通常の腸内細菌をもつマウスよりも、過剰なストレス反応を示すそうです(九州大学大学院医学研究員の須藤信行教授による研究)。
乳酸菌がストレスを低減するために働いてくれる
ところが無菌マウスに腸内細菌を植えつけると、無菌マウスのストレス反応は正常化に向かったようです。
もちろん、乳酸菌をヨーグルトやサプリメントからたくさん摂るようにすれば、ただちにうつの症状が緩和されるといったような短絡的な話にはならないと思います。
しかしこのような研究は、乳酸菌がストレスを低減するために働いてくれる可能性を示しているように思います。
とくにうつの症状が重くのしかかってくることには、多くの場合、学校や職場環境による心理社会的ストレスが主に関係してくると考えられるため、乳酸菌を摂るようにすることで、腸内の善玉菌を増やすことは、うつの症状を少しでもやわらげるために貢献してくれるのではないかと個人的には感じます。
そのほか、腸内の乳酸菌(善玉菌)が増えれば、腸管のバリア機能が高まり、有害な化学物質や細菌などが、体内に侵入をするのが防がれるというメリットもあります。
この腸管のバリア機能を高めるということも、うつ病をはじめとした心の病を防ぐためには大切になってくるように思います。
また、以前の記事でも紹介しましたが、『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』に以下のような記述があります。
健康な参加者の場合も、三〇日にわたって毎日二種のプロバイオティクス菌のカクテルを摂取すると、不安感やうつが軽減した。このように楽観できそうな理由はあるのだが、これらはあくまで予備実験であって、過敏性腸症候群や炎症性腸疾患、気分障害(うつや重い不安障害)などの疾患の治療にプロバイオティクス菌をどう取り入れるかは、プラセボを飲む対照群を使った実験で決めるべきだろう。治療は個人化の必要があるかもしれない。しかし、こうした実験が思い起こさせてくれるのは、私たちの体内にいる微生物が脳と腸双方に影響を与える病気にかかわるということだ。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原多惠子訳 p189)
腸内の乳酸菌の増やしてストレス緩和
ところで、食品から乳酸菌を摂ったとしても、成人になる頃にはすでに多種多様な腸内細菌が腸に定着しているため、ほとんど腸に居着くことが出来ず、体外に排出されてしまいます。
しかし、生きた乳酸菌を摂ると、数日の間は、乳酸を腸内で生み出して腸内の環境を正常な酸性の保ってくれるとされています。
また胃酸によって死菌になったとしても、善玉菌のエサになるといいます。
そのため、食品から摂った乳酸菌がそのまま腸内で活躍し続けるというわけではありませんが、日頃から乳酸菌を多く摂るようにすることは、結果的に腸内細菌の集まりである腸内フローラのバランスを整えることにつながるのです。
乳酸菌についての詳しい情報は以下のページをごらんください。
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