水溶性食物繊維と短鎖脂肪酸のうつを改善する効果とは?
当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)、運動と瞑想で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
今回の記事では、水溶性食物繊維と短鎖脂肪酸のうつを改善する効果(特にぐついて述べていきたいと思います。
当ブログでは腸内環境や、腸内細菌の多様な集まりである腸内フローラを整えることが、うつの症状の改善につながる、ということについて書いてきました。
その理由のひとつは、腸内フローラを改善することは、脳内の神経伝達物質であり、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」を増やすことと関係してくるからです。
その腸内環境・腸内フローラを改善していくためには、乳酸菌やオリゴ糖、発酵食品などを積極的に摂るようにすることが手段として考えられますが、今回着目したいのは、食物繊維のうちの「水溶性食物繊維」です。
この水に溶けやすい水溶性食物繊維は、水に溶けにくい不溶性の食物繊維よりも、腸内細菌のエサになりやすいとされています。
また、水溶性食物繊維を摂取することで、腸内細菌・腸内フローラのバランスが整うと、「短鎖脂肪酸」と呼ばれる脂肪酸が作られやすくなると言われています。
短鎖脂肪酸とうつの関係
この「短鎖脂肪酸」については、食物繊維について書いた記事でも取り上げたことがあったのですが、医学博士の内藤裕二氏は、『消化管は泣いています』のなかで、短鎖脂肪酸について以下のように述べています。
この短鎖脂肪酸は、ヒトの大腸において食物繊維をエサとして腸内細菌が発酵することによって作り出されます。つまり、これまでヒトの健康増進に良いと考えられてきた水溶性食物繊維の機能の一部は、短鎖脂肪酸に関与していることが明らかになってきたわけです。(内藤裕二『消化管は泣いています』p190)
有用菌によって産生される短鎖脂肪酸の中でも、特に酪酸には、抗うつ作用や認知機能改善作用があるようで、盛んに研究されているようです。こういった基礎研究は、消化管環境を改善し、有用菌を増加させるライフスタイルが、ストレスに強い、うつになりにくい、認知機能を維持する機能につながる可能性を示すものであり、大変興味深い点です。(内藤裕二『消化管は泣いています』p179)
また、内藤氏は「発酵性が高く短鎖脂肪酸の産生量が多い」水溶性食物繊維として、「グァー豆(グアーガム)酵素分解物」を、『人生を変える賢い腸のつくり方 ココロまで整える腸内フローラ活性術』のなかで紹介しています。
「グァーガム」は増粘多糖類として加工食品には重要な素材で、食品の粘りを増加させる増粘に広く利用されています。
(略)
このグァーガムは一九八〇年代から脂質・糖質代謝、便秘改善、体内有害物質蓄積抑制などの生理効果が報告されてきました。しかし強すぎるネバネバがネックとなり、これまで食品への利用は大きく制限されていました。
そこで酵素分解することによって粘性を下げ、粉末状にして手軽に摂取できるように開発されたのが「グァー豆酵素分解物」なのです。(内藤裕二『人生を変える賢い腸のつくり方』p218)
グァー豆酵素分解物の顆粒六gで水溶性食物繊維を五g摂取できます。普段の食事にプラスアルファ五gの水溶性食物繊維を習慣にすることで腸内環境を活性化して、カラダと心の健康を実感できることでしょう。(内藤裕二『人生を変える賢い腸のつくり方』p223)
「グァー豆酵素分解物」で腸内環境を整えることがうつの改善につながる。
もちろん、この「グァー豆(グアーガム)酵素分解物」を摂れば、ただちにうつの症状が改善に向かうとは考えにくいですが、毎日、みそ汁やコーヒーなど普段の飲みものに大さじ一杯のグァー豆酵素分解物をプラスしてみることは、腸内環境を整えることで、うつを改善していくために有効だと考えられます。
また、このグァー豆酵素分解物は、内藤裕二氏によれば、便秘と下痢の両方の症状を改善する効果があるといいますし、近年問題になっている「過敏性腸症候群」に対する改善効果も確認されているそうです。
さらに、水溶性の食物繊維には、糖の吸収をゆるやかにする働きがあるとされるため、グァー豆酵素分解物をプラスしてみることは血糖値の急上昇を防ぐためにもオススメです。
特に当ブログでは、血糖値の急上昇を防ぐための糖質制限もうつの症状をやわらげるために推奨していますので、砂糖をやめる糖質制限中のお伴として、この「グァー豆酵素分解物」は最適だと思われます。
こちらは毎日の食事に手軽にプラスすることができるグア―豆酵素分解物「サンファイバーAI」です。
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内藤裕二氏の『人生を変える賢い腸のつくり方 ココロまで整える腸内フローラ活性術』には、腸内細菌のエサになる水溶性食物繊維の可能性について詳しく書かれています。
セロトニンとドーパミンのもとになる前駆体(ある物質が生成される前の段階にある物質)は、腸内フローラがつくって脳に送り届けています。そのため、腸内フローラのバランスが悪ければセロトニン・ドーパミンが減少しますが、反対に腸内フローラが活性化(良い腸内細菌が増加)するとセロトニン・ドーパミンも増加する、ということがわかってきました。(内藤裕二『人生を変える賢い腸のつくり方』p82)
腸内フローラを活性化する秘訣は、「食物繊維」をたくさん摂るということでした。つまり、食物繊維を豊富に摂取して、腸内フローラを活性化することで、セロトニン・ドーパミンの分泌量が増加し、精神のバランスが整うのです。
対して、生活習慣や食生活の乱れなどで、食物繊維をあまり摂らない生活を続けていると、腸内の悪用菌が増加し、セロトニン・ドーパミンの分泌量が減少して、精神のバランスを崩してしまいます。(同)