「首こり」を治すことが、うつの改善につながるわけ
当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)、運動と瞑想で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
今回は、「首こり」を治すことが、うつの改善につながるわけについて書いていきたいと思います。
うつの症状を少しでも改善したり、うつ病を予防したりするためには、「あたま」だけではなく、「からだ」のほうにも意識を向けることが大切だと思われます。
このことについては、以前の記事で何度か書いてきましたが、今回は、からだの部分のうち、「首」に着目したいと思います。
今の時代はタブレットやスマートフォンといった携帯端末の普及や、オフィス内でパソコンを長時間使用する労働環境などによって、画面を見るために、うつむいてしまっている時間が長くなっている方は多いと思います。
しかしうつむいた姿勢を長く続けてしまうと、猫背になるだけではなく、首にも負担をかけてしまいます。そして気づかないうちに肩だけではなく、首もこってしまうのです。
このことに関して、整形外科クリニックの院長をしている三井弘氏は、『体の不調は「首こり」から治す、が正しい』(SB新書)のなかで、以下のように述べています。
首の不調が起こるのは、首を酷使する生活が続くことが最大の要因です。
それでなくとも首は、日常生活の中で絶えず動かされ続けています。
(中略)
首が健康だからこそ、私たちはつつがなく日常生活を送ることができているのです。
しかし、そのことを意識することはほとんどありません。首がスムーズに動くことは、意識するまでもない〝当たり前〟のことだからです。
そのため必要以上に負担をかけてしまっても、よほどの症状が出ない限り、大概の人は首が傷んでいることに気づかないのです。(三井弘『体の不調は「首こり」から治す、が正しい』p23)
三井弘 『体の不調は「首こり」から治す、が正しい』 SB新書
「首こり」と「うつ」の関係とは?
三井弘氏は、首に「必要以上に負担をかけてしまっても、よほどの症状が出ない限り、大概の人は首が傷んでいることに気づかない」と述べていますが、「肩こり」ではなく、知らない間に首がこってしまう「首こり」によって、からだに何らかの不調が引き起こされていることは十分考えられるのです。
特に「うつ」の症状や「うつ病」との関連性において、三井氏は以下のように指摘しています。
うつは一般的に脳が関係しているとされていますが、その発症に、長時間にわたる首の酷使が関わっているケースもあるということです。
なかでも何時間もパソコンやゲームをやり続け、同じ姿勢を取り続けている状態が長く続くような状況は、首に多大なダメージを与えます。それによって頸椎から自律神経の不調が起こり、「自律神経失調症→うつ」という経過を生じさせかねません。(三井弘『体の不調は「首こり」から治す、が正しい』p54)
通常、自律神経失調症やうつはストレス性疾患として扱われることが多く、神経内科や心療内科、精神科などにかかることが多いと思います。
そこで薬を処方されて服用するというのが治療の主流ですが、もし薬をいくら飲んでも症状が改善されないという場合は、首に問題があることも考えられます。(同)
このように、「うつ」の症状には様々なものやことが関係していると考えられますが、もしかしたら「大変慎み深く、我慢強い部位」である「首」が酷使されていることにも問題があるのかもしれないのです。
そのため、うつの症状を少しでも防いでいくためには、日頃から「首」を大切にするような生活習慣を心がけることだと思われます。
あごを20度ぐらい上げることが首への負担を減らす
しかし首の疲れを取ろうとして、自分で首を変な方向に動かしてしまうと、逆に首を痛めてしまうことにもなりかねません。
そのため、この記事では首の疲れをとるための具体的な方法については書きませんが、三井弘氏の『体の不調は「首こり」から治す、が正しい』のなかで非常に参考になるのは、首の負担を減らすために、普段からあごを20度ぐらい上げることを心がけるという点です。
正しい姿勢というと、あごを引くことをイメージしがちですが、三井氏は、「あごを20度ぐらい上げた状態」が首にとっての良い姿勢だというのです。
あごを引くと、頸椎は真っ直ぐな状態となり、重い頭を支えるためのカーブがなくなってしまいます。つまり、首が軽く前に突き出て、頭部が後方に位置するというバランスが取れなくなってしまうのです。
それによって頭全体の重さを受け止めて支えることができなくなり、首には余計な負担がかかってしまうことになります。(三井弘『体の不調は「首こり」から治す、が正しい』p109)
首を守るためには、頸椎のカーブを保てる姿勢であることが必要です。そのために最もよいのは、あごを20度ぐらい上げた状態です。要は、あごを少し上にツンと上げた姿勢です。これが首の骨のカーブに沿った「首にとっての正しい姿勢」なのです。(同)
あごを引いてしまうことは、首にも大きな負担をかけるだけではなく、頸椎のカーブの消失によって、その下に続く胸椎や腰椎にも影響を与え、背骨全体の負荷も高めてしまいます。ですから、まずは「少しあごを上げる」を日頃から意識して生活してみてください。
立つときは、①あごを少し上げ、②胸を張り、③腰は少しそらし気味にして立つ、を心がけましょう。この姿勢を習慣にするだけで首こりの症状は相当改善されます。(三井弘『体の不調は「首こり」から治す、が正しい』p110)
意識的にあごを少しあげるようにしてみることが「うつ」を予防する
したがって、テレビを見るときや本を読むとき、パソコンやスマートフォンなどを操作するとき、うつむきがちになるのを避け、意識的にあごを少しあげるようにしてみると、首への負担を減らせると思います。
また、テレビの位置を少し高くしたり、スマートフォンや本などを腕を動かすことで目線の方にもってきたりすることも、首に余計な負担をかけないようにするための工夫だといえます。
そのほか、首に負担をかけないための、枕や椅子の選び方、食事や入浴の方法など、日常生活のなかで首を守るための秘訣が、三井弘氏の『体の不調は「首こり」から治す、が正しい』のなかで紹介されていますので、首への負担を少しでも減らしたい方は、ぜひ本書を読んでみてください。
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うつを緩和するには、腸内環境の改善と糖質制限、食事・運動・瞑想が大切です。