うつを腸内フローラ改善と糖質制限で治すための方法ブログ

うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ改善と糖質制限、DHA)、運動と瞑想で治すための方法ブログです。

孤独を克服するためのヒントとは?―『孤独であるためのレッスン』

 当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善糖質制限)、運動瞑想で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。

 

今回はうつという心の問題を少しでも解決していくために、前回の記事では、心理カウンセラーである諸富祥彦氏の『孤独であるためのレッスン』という本を取り上げましたが、今回はこの諸富祥彦氏の『孤独であるためのレッスン』を紹介しながら、孤独を克服するためのヒントについて考えてみたいと思います。

 

現代社会においては、メールはもちろんのこと、SNSやLINEなど、誰かとつながるためのツールが身の回りにたくさんあります。

しかし、実は<孤独>であることや<ひとり>でいること、もしくは、親身になって自分の話を聴いてくれる人が一人もいない、ということについて悩んでいる方は意外と多いのかもしれません。

 

また、自分は本当はSNSやLINEなどのなかの仲間の輪に参加したくないと思っているのに、必要以上に<孤独>であることを怖れたり、ひとりになることに不安を感じたりするため、仕方なく誰かとつながっているふりをしている場合もあるのではないでしょうか?

 

このような現代人の孤独感について諸富祥彦氏は、『孤独であるためのレッスン』のなかで、

 

「ひとりでいるという事実よりむしろ、「あいつはひとりだ」「ひとりでいる変なヤツだ」と周囲や世間から思われているまなざしを気にかけ、自分で自分を追い詰めている」

 

としています。

 

そして、孤独は良くないことだとする世間の目を気にするあまり、劣等感をつのらせ、その結果、「自分の孤独を、ひとりでいることを肯定的に受け止め、ひとりのままで人生をエンジョイ」できていないと述べています。

 

<孤独>であること、<ひとりでいる>こと

 

私自身は、<孤独>であること、<ひとりでいる>ことは、決して「悪い」ことではないと思います。

そのため、<孤独>であることを肯定的に捉える立場ですが、しかし、「家族も友達も恋人もいらない」と宣言し、あえて一人ぼっちになって生きようとするような生き方を推奨するつもりはありません。

むしろ諸富氏が、

 

 〝ひとり〟でいることのできない人間関係は、たいへん不自由なものです。絶えず他人の視線を気にし、他人と自分を比較し、評価し続ける、がんじがらめの人間関係です。人間関係の〝評価〟や〝しがらみ〟に捕らわれた生き方、と言ってもいいでしょう。

 一方、〝ひとり〟でいることのできる人の人間関係は、とても自由で、柔軟で、開かれたものです。他人の視線はあまり気になりませんし、他人と自分を比較したり、評価し続けたりすることもありません。他者とのほんとうの〝つながり〟に開かれた生き方と言ってもいいでしょう。

 そうです。私たちはまず、〝ひとり〟でいる決意をしなくては、真の人間関係に、真の〝つながり〟に開かれることもできません。

 〝ひとり〟でいる決意をし、自分の孤独を深めることができた人にだけ、他者との真の出会いも可能になるのです。(諸富祥彦『孤独であるためのレッスン』p20

 

と述べているように、あえて孤独を選択することによって、「他者との真の出会い」を求めていくことが可能になるように思われるのです。

 

 孤独な人が、その孤独をまっとうして生きていくためには、心のうちで、人間を超えた〝何ものか〟と対話しながら生きていくような視点を保持することが不可欠であると、私は思います。人が、その孤独を貫いて生きていくには、心のうちで、自分を超えた何かと対話しつつ生きていくことが不可欠である、と思うのです。(諸富祥彦『孤独であるためのレッスン』p181

 

そうしたまなざしさえ欠いたまま―つまり、単に物理的に孤独であるだけでなく、心のうちにも対話の相手を持たずに文字通りたったひとりで―孤独を貫くことができるほど、人間は強い生き物ではないからです。大切なのは、物理的にひとりであるかどうかではない。心のうちに対話の相手を持った孤独こそ、真に充実した、鍛えられた孤独なのです。(

 

孤独であるためのレッスン

<孤独>を積極的に受け入れることで現代社会をよりよく生きる

また、諸富祥彦氏が、「心のうちにも対話の相手を持たずに文字通りたったひとりで―孤独を貫くことができるほど、人間は強い生き物ではない」と述べている通り、現実社会にも、心のうちにも、対話の相手がいないというのは、生きていくうえでかなりしんどいのです。

 

しかし、かといって、ちょっとした孤独に耐え切れず、安易にパソコンやスマートフォンの世界のなかで簡単に誰かとつながろうとしてしまっては、自分が<孤独>によって鍛えられることは決してありません。

 

 大切なのは、多少、不安になったり、つらさやさみしさが襲ってきたとしても、そこから逃げ出さないこと。しばらく、じっと、そこにいること。そこに、とどまり続けることです。

 孤独であることの不安やさみしさに耐え、じっとそこにとどまっていると、次第に孤独であることの新たな意義が見えてきます。新しい感覚が生まれてきます。(諸富祥彦『孤独であるためのレッスン』p244

 

まず行うべきは、自分のなかの孤独と向き合い、孤独であることを肯定し、自分が孤独であることを受け容れることなのです。

 

 孤独を恐れるな。

 孤独は、人生の普遍的な本質であり、人間であることの真実なのだから、孤独であることをみずから積極的に引き受けよ。

 人はみな、ひとりで生きていく。

 この真実を深く引き受けた人間だけが、自分自身と対話し、より深い心の知恵を聴きながら、生きていくことができる。自己との対話を絶えず積み重ねることでしか手に入れることのできない、精神の厚みを増すことができる。

 つまり、孤独な人間だけが、自分自身と対話し、自己と出会うことができる。

 また、そのようにして、自分自身と出会い、自分の心の声を聴くことのできる孤独な人間同士だけが、深く出会うことができる。(諸富祥彦『孤独であるためのレッスン』p172

 

まずは自分が孤独であることを引き受ける勇気を持つ

真に孤独を乗り越えることは、簡単ではありません。

孤独を克服したつもりでも、何かのきっかけで<ひとりであること>のつらさや寂しさを感じることはあると思いますし、それは人間としては当たり前だとも思います。

しかし<孤独>と向き合うことによって、初めて出会うことが出来る<つながり>もあるのだと思います。

 

そのつながる相手とは、単純に人とは限らず、自分自身の知らない部分であったり、本のなかの登場人物や作者であったりするかもしれません。もしくは、自然のなかの動物や植物、鉱物、神秘的な風景などかもしれませんが、そのつながる相手とは、もし孤独を自分で受け入れなかったら、決して出会えなかった<何か>なのであることは確かです。

このことは反対に言えば、いくら孤独を感じているとしても、私たちは現実世界に生きている以上、本当はつねに何らかの存在とつながっているのだということを意味するのであり、孤独を感じている間は、ただ、そのことに気がついていないだけかもしれないのです。

 

そのため、孤独を克服するためにまず大切なのは、自分が孤独であることを引き受ける勇気なのです。

 

  もし、孤独を癒すことのできる人間関係がありうるとすれば、それは、その関係の中で、互いがより深く孤独に徹していけるような人間関係、その関係の中で、互いがますます深くひとりになり、自分自身になりきることができるような人間関係でしか、ありえないであろう。

 孤独は素晴らしい。

 人が真の自分に出会うのも、自分の人生で何がほんとうに大切かを知るのも、すべては孤独において、である。(諸富祥彦『孤独であるためのレッスン』p254

 

諸富祥彦『孤独であるためのレッスン』

<孤独であること>を本当の意味で克服することは難しい

ここまで孤独を克服するためのヒントについて、『孤独であるためのレッスン』を紹介しながら書いてきましたが、もちろん、私自身、<孤独>であることを真の意味で解決したわけではありません。

先ほども述べましたが、たとえ孤独を克服したつもりでも、大事なものをなくしたり、誰かを失うという離別の悲しみを味わったり、急に寒い一日が訪れたりすることによって、心は<孤独>や<寂しさ>を感じてしまうものなのだと思います。

今回ご紹介した『孤独であるためのレッスン』を書いた諸富祥彦氏も、「忙しい毎日を走り抜けつつ、とても充実した日々を送っているつもり」でも、「突然ふと、とてつもない孤独感に襲われる」ことがあると、「おわりに」のなかで書いています。

 

そのため、<孤独>であることを解決するのは、決して簡単ではないかもしれませんし、いつまでも解決できないのかもしれませんが、<孤独>であることに悩んでいて、この『孤独であるためのレッスン』に興味が湧いた方は、ぜひ、実際に手に取って読んでみていただきたいと思います。

 

既に成熟社会を迎えた、否、成熟した大人になることが必須の課題となるこれからの日本では、〝速さ〟(効率)や〝多さ〟(量)といった水平的な尺度に価値が置かれてきたこれまでと異なり、〝深さ〟という垂直次元の尺度に価値が置かれるようになってくる。そんな時代をタフにしなやかに生き抜いていくために最も必要な能力こそ、孤独になる能力、孤独になって自分の心と対話し、想像力を駆使してものごとを多様に構想することができる〝能力〟なのです(『孤独であるためのレッスン』 プロローグより)

 

本書を読むことで、今よりも孤独を克服するためのヒントが見つかるかもしれません。

 

孤独であるためのレッスン (NHKブックス)

新品価格
¥1,102から
(2017/11/17 13:54時点)

 

utukaizen.hatenablog.com

utukaizen.hatenablog.com

utukaizen.hatenablog.com