うつを腸内フローラ改善と糖質制限で治すための方法ブログ

うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ改善と糖質制限、DHA)、運動と瞑想で治すための方法ブログです。

皮膚と心がつながっている理由―『第三の脳』

当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善糖質制限)、運動瞑想で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。

 

今回は傳田光洋氏の『第三の脳 皮膚から考える命、こころ、世界』を取りあげながら、皮膚と心がつながっていることについて書いていきたいと思います。

以前、心とは何かを考えるために、山口創氏の『腸・皮膚・筋肉が心の不調を治す』を取りあげたことがありましたが、傳田光洋氏の『第三の脳 皮膚から考える命、こころ、世界』も、心とは何かを考えるうえで非常に興味深い一冊だといえます。

 

 

 皮膚は身体を包むためにある。長くそう信じられてきました。しかし二十世紀の終わり頃から、皮膚の様々な能力が明らかになってきました。

 心臓や肺、腎臓、これらは私たちの身体の中で働いている臓器です。身体の欲求に応じて血液を循環させる心臓、その血液に環境から取り込んだ酸素をもたらす肺、血液の中の不用成分を取り除く腎臓、それぞれがその使命を果たし、私たちの命は保たれています。

 皮膚は外側にある「臓器」です。身体と環境のインターフェースとして、皮膚は外部から様々な情報を受け、その情報を身体の中に発信し、環境の変化に対して身体が適応できるようにしているのです。(傳田光洋『第三の脳 皮膚から考える命、こころ、世界』p10

 

第三の脳 皮膚から考える命、こころ、世界

 

本書『第三の脳 皮膚から考える命、こころ、世界』を読むと、脳だけではなく、皮膚も生活環境の様々な情報を感じとっているように思えますが、本書の著者である傳田光洋氏によれば、どうやら表皮を構成している細胞である「ケラチノサイト」は、自分たちで勝手にバリア機能を守るために活動しているようなのです。

 

また、「免疫システムの最前線」であり、「皮膚の表皮が傷ついたとき、SOSを発信する」のだといいます。

 

 表皮は絶えず新しくなりながら、それでいて形やバリア機能などは変わらない。外から傷つけられても、すぐに自動的に戻る。この自律性に電場が重要な役割を果たしているようです。自分の形をモニターし、維持するための電気的環境を自分で作っているのが表皮です。(傳田光洋『第三の脳 皮膚から考える命、こころ、世界』p60

 

そして、ストレスは免疫系に作用することはよく知られていますが、皮膚のバリア機能の回復速度にも影響を与えるといいます。

 

たとえばうつ状態の女性にマッサージを施したら、血中のストレスホルモン(コルチゾール)の量が減って、明らかにストレスが改善されたそうです。対照として、身体を動かすストレス解消を試みたのですが、こちらには少なくとも生化学的変化は認められませんでした(略)。体性感覚――これには身体全体の姿勢や呼吸、そして皮膚感覚が含まれますが、こころに及ぼす作用については、とりわけ皮膚感覚が大きな影響を振るっているらしいのです。(傳田光洋『第三の脳 皮膚から考える命、こころ、世界』p167

 

 また皮膚への障害、あるいは皮膚疾患が、身体全体やこころに及ぼす影響もあるはずです。ガン患者に接する臨床医にとって、患者が身体のどこかに炎症を起こしているときに、患者から放出されるサイトカインと呼ばれる物質の影響でうつ状態になることは、ごく常識的に受け止められています。(

 

第三の脳 皮膚から考える命、こころ、世界

 

傳田氏は本書のなかで、 「こころは皮膚に密接につながっています。実は逆もまた然りで、皮膚はこころに影響を与えるのです」と述べていることが印象的ですが、心は脳だけではなく、腸や皮膚にもあると考えられるのです。

 

そのため、少しでもうつを予防したり改善したりするためには、「脳」へのアプローチだけではなく、これからの時代は「スキンシップ」や「マッサージ」によって「触れる」「触れられる」といった皮膚へのアプローチも重要になってくると思われます。

 

特に日本人は「スキンシップ」が苦手であるがゆえに、「スキンシップ」による人間同士のコミュニケーションの親密さが稀薄だといわれることがありますが、実はこの「スキンシップ」こそがうつの症状を軽減したり、心の病を治したりするための鍵を握っているのではないかと、個人的に感じています。

 

またうつ病の予防対策や改善策として、心理カウンセリングだけではなく、プロの手によるマッサージの技術も、これから注目されてくるのかもしれません。

 

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