うつを腸内フローラ改善と糖質制限で治すための方法ブログ

うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ改善と糖質制限、DHA)、運動と瞑想で治すための方法ブログです。

うつ病とテロメアの関係とは?

当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善糖質制限)、運動瞑想で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。

 

今回はエリザベス・ブラックバーン、エリッサ・エペル氏らによる『細胞から若返る! テロメア・エフェクト 健康長寿のための最強プログラム』(森内 薫 訳 NHK出版) を取りあげながら、うつ病テロメアの関係について述べていきたいと思います。

 

ちなみに「テロメア」とは「染色体の端に存在する非コードDNAの繰り返し配列」のことで、このテロメアの長さが私たちの寿命や疾患などに深く関わっているとされています。

つまり、私たちが長生き出来るかどうかは、テロメアの長さが重要になってくるのです。

 

 細胞が分裂するたびにテロメアは短くなる。それが細胞の老化の速度を決定し、さらにそれをもとに細胞の死期が決定される。だが私たちの研究や、世界各地のラボの研究からは、驚くべき発見がもたらされている。染色体の末端は伸びることもある――。その発見が示唆しているのは、老化とは早まったり遅くなったりする動的なプロセスであり、ある面においては逆転すら可能だということだ。老化とは長いあいだ考えられてきたように、病気や衰退へと一直線に滑り落ちる坂道ではない。人間はみな、年はとる。だが、どのように老いるかを大きく左右するのは細胞の健康状態なのだ。(エリザベス・ブラックバーン、エリッサ・エペル 著 森内 薫 訳『テロメア・エフェクト』 NHK出版 p19

 

テロメア・エフェクト

lifepower.hatenablog.com

うつ病テロメア

では、うつ病テロメアの長さはどう関係してくるのかといえば、『テロメア・エフェクト』のなかには、思いうつ病を患っている方は、テロメアが短い傾向にあるという記述があります。

 

 うつ病テロメアの関係については、不安とテロメアの関係よりも、もっと確実な科学文献が存在する。おそらく、うつ病はそれだけ多くの人を悩ませているのだ。現在、世界中でうつ病の患者は三億五〇〇〇万人以上いるといわれる。研究者のナー・カイとオックスフォード大学および台湾の長庚大学における共同研究者は、約一万二〇〇〇人の中国人女性を対象に大規模な調査を行い、うつ病の女性はテロメアが短いことを確認した(略)うつ病が重篤で、かつ発病期間が長くなるほど、テロメアは短くなっていたのだ(略)。(エリザベス・ブラックバーン、エリッサ・エペル 著 森内 薫 訳『テロメア・エフェクト』 NHK出版 p179

 

しかし不思議なことに、うつ病の方は、「テロメラーゼ」と呼ばれる、細胞分裂の際に失われたDNAの修復を受け持つ酵素が、免疫細胞のなかに多いというのです。

 

うつ病テロメアの短縮につながるのはともかく、なぜテロメラーゼが増加するのだろう? この矛盾した組み合わせは、じつはほかの状況でも起きている。大きなストレスに押しつぶされそうになっている人や、高校を卒業していない人、冷笑的な敵対心をもつ男性、そして心血管系疾患のリストが高い人などの一部にもこうした状況が見られる。私たちの考えでは、こうした状況ではテロメアの短縮に対応するために、細胞がたくさんのテロメラーゼを産生するが、残念ながらテロメアの喪失を十分補完することはできず、テロメアが結局短くなるという現象が起きているのだ。(エリザベス・ブラックバーン、エリッサ・エペル 著 森内 薫 訳『テロメア・エフェクト』 NHK出版 p180

 

細胞はテロメアの喪失を補完しようと努力する

その理由については、『テロメア・エフェクト』の著者らは、「こうした状況ではテロメアの短縮に対応するために、細胞がたくさんのテロメラーゼを産生するが、残念ながらテロメアの喪失を十分補完することはできず、テロメアが結局短くなるという現象が起きている」と、その考えを述べていますが、さらに

 

テロメアの喪失を補完しようとする免疫細胞の努力は、脳内で起きている現象の鏡である可能性もある。つまり、ニューロンで同じことをしているかもしれないのだ。テロメラーゼの活性を高めるような何かの活性化が脳の中で起こり、それが(テロメアの伸長には失敗しても)ニューロンの新生を促進しているのかもしれない」

 

としています。

 

このあたりのことを分かりやすく述べれば、「うつ病の人はテロメアが短い」という情報を知ったとしても、悲観する必要はないということです。

なぜなら、テロメアが不安やストレスなどによって短くなったとしても、細胞はテロメラーゼをその分、多く分泌することによって、元の長さに戻そうとするからです。

もちろん、悲観的な状態が長く続いてしまえば、ストレスや不安などによる体内の慢性的な炎症によってテロメアが短いままになってしまう可能性は考えられます。

しかし、ストレスや不安、トラウマなどに対する考え方を自ら変えることによって、運命も変えることができるのです。

 

 ナー・カイが中国で行った大規模な調査からは、次のようなパターンが確認された。過去にトラウマ的な経験をした人も、ひどいうつ病を発症しないかぎり、損なわれたテロメアは短いままになる。トラウマとうつ病の二重苦は、テロメアにとって重すぎるということだ。だが、幸いにもテロメアは、トラウマとうつ病のダブルパンチを受けても、テロメラーゼの分泌を助ける活動によって、安定させることが可能だ。場合によってはふたたび長くすることもできる。テロメラーゼの力で、テロメアは回復できるのだ。(テロメア・エフェクト』NHK出版 p182

 

『テロメア・エフェクト

 

あなたのテロメアは、あなたに耳を傾けている。あなたが出した指示を、あなたのテロメアは吸収する。あなたの生き方は、「細胞の老化を速めろ」とテロメアに指示を出してしまう危険もあるのだ。だが、逆のことをも起こりうる。何を食べるか、精神的苦痛にどう対応するか、どのくらい運動をするか、子どものころストレスにさらされたか、隣人をどのくらい信頼し、どのくらい安心して暮らしているか――。テロメアにはこうしたもろもろの要因が影響を与えているらしい。そしてこうした要因が、細胞レベルの早すぎる老化を防いでくれる可能性もある。つまり、長い健康寿命の一つの鍵は、健康な細胞の再生に必要なことをあなたが行なえるかどうかにあるのだ。(テロメア・エフェクト』NHK出版 p20~21

 

そしてテロメアを守るために大切になってくるのは、食事・運動・瞑想といった生活習慣や、睡眠の質なのです。

 

  • 運動・・・細胞の健康のためには有酸素運動が最適で、ストレスが多い場合は、運動は必須。
  • 食事・・・野菜や果物、全粒穀物、ナッツ類などを中心に、地中海式と呼ばれる食事をとるようにし、低脂肪で質の高いタンパク質やオメガ3脂肪酸も積極的に摂取するようにする。砂糖が入っている食べ物、飲み物、ハムやソーセージなどの加工肉は避ける。
  • 瞑想・・・マインドフルネス認知療法を行うことは、毎日の生活に喜びと満足をもたらすきっかけになる。
  • 睡眠・・・テロメアは少なくとも七時間の睡眠を好む。寝室に液晶機器を置かないようにすることは、睡眠の質を高める。

 

utukaizen.hatenablog.com

utukaizen.hatenablog.com