ココナッツオイルのうつを改善する効果とは?
当ブログではうつ病予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
今回はココナッツオイルのうつを改善する効果についてです。
当ブログではうつの症状をやわらげるために油(脂質)の摂り方について何回か記事を書いてきました。そして、少しでもうつを改善していくためには、DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸をバランスよく摂るようにすることが大切だと述べてきました。
では、ここ数年の間に人気の食材となった「ココナッツオイル」には、うつを改善する効果があるのでしょうか?
ココナッツオイルはうつを改善する効果がある?
ココナッツオイルはアルツハイマー病を改善することでは有名ですが、残念ながら今のところ、ココナッツオイルがうつ病を改善するという、エビデンスがしっかりとした研究はあまり見当たりません。
しかし、ココナッツオイルは、毎日の生活にうまく採り入れることで、うつの症状をやわらげる手助けはしてくれると私自身は思います。
それはなぜでしょうか?
その理由としてはまず、ココナッツオイルには飽和脂肪酸の一つである「中鎖脂肪酸(MCT)」が多く含まれていることが挙げられます。
「飽和脂肪酸」とは牛脂やラード、バターなどの動物性の脂質に豊富に含まれている脂肪酸です。
この「飽和脂肪酸」は糖質から体内で合成されるという性質もあるため、「不飽和脂肪酸」のように、必ず食事から補わなければならない必須脂肪酸ではありません。
また、加工食品や乳製品などにも飽和脂肪酸は含まれているため、普段の生活で不足することはほとんどないとされています。
しかし飽和脂肪酸には、エネルギーになったり、細胞膜を構成したりするという重要な働きがあることには注意が必要です。
ちなみに、飽和脂肪酸を多く含む脂肪は融点が高いため、常温でも固体であることが多いという特徴があります(ココナッツオイルも基本的に常温だと固まっています)。
一方、亜麻仁油やオリーブオイル、サラダ油などは、不飽和脂肪酸が多く含まれているため、常温では液状です。
さらに、この飽和脂肪酸は連なっている炭素の数によって、短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸・長鎖脂肪酸の3つに分類されています。
ココナッツオイルの中鎖脂肪酸はエネルギーになりやすい
ココナッツオイルは中鎖脂肪酸が豊富ですが、中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸よりも炭素の数が少ないため、エネルギーとして使われやすいとされています。
また中鎖脂肪酸は消化・吸収のために胆汁酸を必要とせずに、そのまま小腸の細胞に吸収され、門脈を経て直接肝臓へと運ばれるという性質があります。
つまり、中鎖脂肪酸は肝臓で素早く分解されるので、効率よくエネルギーとして利用されやすいのです。
(略)ココナッツオイルをとると、体はそれを体脂肪として保存せず、即座にそれをエネルギーに変えるのだ。だから、体脂肪に変換されることなく食べられる量は、ココナッツオイルのほうがほかの油よりもずっと多い。摂取する長鎖脂肪酸を中鎖脂肪酸に替えると、体重増加が抑えられ、脂肪沈着が減少することは、動物や人間を対象とした数々の研究で実証されている。(ブルース・ファイフ『ココナッツオイル健康法』三木直子 訳 p173)
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ココナッツオイルで糖質制限
この「中鎖脂肪酸(MCT)」のエネルギーになりやすい性質を、「糖質制限」と組み合わせていくことは、脳にも体にも良いと考えられます。
ちなみに当ブログで何度も取り上げているデイビッド・パールマター氏の『「いつものパン」があなたを殺す』』のなかでは、ココナッツオイルについて、以下のように書かれています。
話題のココナッツオイルは、このMCTの摂取源であり、またアルツハイマー病の処置に対する有益なアプローチだとされている。ケトン食療法によって、脳内のアミロイドが減少することがわかっており、さらに、海馬のグルタチオン(体内に存在し、脳を保護する抗酸化物質)が増加する。さらに、ミトコンドリアの増加をうながし、代謝効率を上昇させる。(デイビッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』 白澤卓二訳 p246』)
また、「ココナッツオイルは神経変性の症状を予防し、治す働きをサポートしてくれる。言うなれば、脳のスーパー燃料だ。それに、炎症を抑えてくれる。茶さじ一杯をそのまま飲んでもいいし、料理に用いてもいい。熱に強いので、高温で調理しても問題ない」とも述べられています。
もちろん、ココナッツオイルを摂ることが、うつ病を治したり、うつの症状の改善したりすることにダイレクトにつながるわけではないと思われます。
油の摂り方で大切なのは、まず、サラダ油に含まれるリノール酸やトランス脂肪酸を減らし、代わりにオメガ3脂肪酸をバランスよくに摂るようにすることです。
しかし、日頃の食事において、砂糖や精製デンプンなどの糖質を余計に摂らないようにし、代わりに効率の良いエネルギー源として、ココナッツオイルを利用することは、脳と心の健康を維持するのに役立つと思われます。
うつの症状にはエネルギー不足が関係していると言われることがありますが、実際、からだとこころのエネルギーが停滞すると、気持ちが落ち込みやすくなるので、私自身は、ココナッツオイルを心身の健康のために毎日食べています。
ちなみにココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は、ブドウ糖の代わりとして、脳のエネルギー源になる特別な脂肪である「ケトン体」を作るのに役立つとも言われています(近年、糖尿病や認知症の改善に効果的だとされている「ケトン食療法」については、独自の判断で行わず、医師との相談のうえに行ってください)。
さらにココナッツオイルには、免疫力を高めて感染症を防ぐ働きがある「ラウリン酸」や細胞膜で活性酸素を除去し、過酸化脂質の生成を抑えて体を守るビタミンEなどがココナッツオイルには豊富に含まれていることも、特筆に値します。
以上、ココナッツオイルのうつを改善する効果について述べてきましたが、ココナッツオイルは糖質制限とうまく組み合わせると、脳と心の健康のために有効な食材だと思われます。
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