うつを腸内フローラ改善と糖質制限で治すための方法ブログ

うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ改善と糖質制限、DHA)、運動と瞑想で治すための方法ブログです。

低コレステロールとうつの関係性とは?

当ブログではうつ病予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善糖質制限)で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。

 

今回はコレステロールうつの関係性についてです。

コレステロール」というと、血流を悪くする「悪玉」コレステロールばかりが取り上げられ、どことなく悪者のイメージがありますが、じつは脂質の一種であるコレステロールは、生体内で重要な働きをしています。

たとえば、コレステロールは細胞膜の構成成分のひとつとして大切な役割を果たしています。また、コレステロールは、数種類のホルモンとビタミンDの生成を助けています。

 

 コレステロールは、細胞を覆う膜を形成し、細胞膜の透過性を維持しながら細胞の「防水加工」状態を保つ。だから細胞の内と外で異なる化学反応が起こるのだ。

 脳内での新たなシナプスの延長はコレステロールに依存していることを、私たちは究明した。

 (中略)

 さらに、脳内のコレステロールは強力な抗酸化物質としても働く。フリーラジカルによるダメージから脳を守るのだ。コレステロールは、エストロゲンやアンドロゲンのようなステロイドホルモン、およびビタミンDという極めて重要な脂溶性の抗酸化物質の前駆体だ。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p144~145

 

このコレステロールの不足と、「うつ」との関係性を指摘しているのは、アメリカの神経科医のデイビッド・パールマター氏と、日本の栄養療法の専門家である溝口徹氏です。

 

(略)多くの研究によって、うつ病コレステロール値が低い人に、はるかに多いことがわかっている。

 そしてコレステロール値を下げる薬(スタチン)を使う人は、さらにうつ状態になる可能性が高くなる。私は実際に日々の診療の中でこれを目撃している。うつ病が薬自体の作用の結果なのか、あるいは単にコレステロール値が下がった影響を反映しているだけなのかははっきりしないが、私は後者のほうが正しいと考える。

 すでに一〇年以上前に発表された研究が、総コレステロールが低いことと、うつ病とのつながりを示している。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p214~215

 

「いつものパン」があなたを殺す

(略)脳の複雑な神経細胞のかたちを保つために重要なのが、コレステロールだ。コレステロールは神経伝達をすばやくおこなうのにも使われている。

 それほど重要な働きをしているコレステロールが脳に少ないとしたら、いったいどんなことが起こってくるかは、容易に想像がつくのではないだろうか。

 コレステロール値が低い人は、うつの症状を発現するケースが、じつに多いのだ。コレステロールが脳内に少なくなると、セロトニンの機能が異常になる。セロトニンは心のバランスを保つために重要な脳内神経伝達物質であることはお話ししたが、バランスが崩れると、心はうつの症状を訴え、問題行動へとつながっていくのだ。(溝口徹『「うつ」は食べ物が原因だった!』p122~123

 

また、ひと昔前は食事からのコレステロールの摂り過ぎには気をつけるよう喧伝されていましたが、近年は、体内のコレステロール量はからだが調整することが分かってきました。

そのため、食事からのコレステロール摂取に対して、特定の病気をしていないかぎり、それほど神経質にならなくても良くなりました。

 

 わたしたちの身体のなかのコレステロールは、その80%前後がおもに肝臓でつくられている。コレステロールの最大の生産工場は体内にあるのだ。しかも、肝臓の生産システムの管理能力はすごい。

(中略)

 80%の生産量を誇る体内の生産工場に、すぐれた管理能力があるのだから、食材の影響などさほどのものではない。コレステロールを多く含む代表的な食材である卵をたくさん食べたからといって、数値に極端な変化など起こりようがないのである。(溝口徹『「うつ」は食べ物が原因だった!』p74

 

「うつ」は食べ物が原因だった!

 

以上、この記事では、油の摂り方のひとつとして、低コレステロールとうつの関係性を取りあげてみましたが、うつの症状を少しでも改善していくためには、コレステロールは過剰摂取を必要以上に気にするよりも「不足」に気をつけてみたほうが良いように感じます(もちろん、だからといって、コレステロールを補うためにやみくもに一日に卵を何個も食べるような極端な食生活は避けていただきたいと思います)。

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