うつを腸内フローラ改善と糖質制限で治すための方法ブログ

うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ改善と糖質制限、DHA)、運動と瞑想で治すための方法ブログです。

「自分」とは何かを腸内細菌から考える。

 

当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善糖質制限)で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。

 

今回は「自分」とは何かを腸内細菌から考えてみたいと思います。

この「自分とは何か」という問題は、「心」とは何かという問題同様、非常に難しいのですが、実は私自身が、若い頃は気持ちがふさぎ込むことが多く、その過程において、「自分」や「私」とは何かという問いを自分の心のなかで発し続けてきました。

そして、哲学や宗教、心理学や精神医学などのたくさんの書物や人生経験のなかで分かってきたことのひとつは、「自分とは自分だけではなく、自分以外の集まりのことも含む」ということです。

このことについての説明を始めると、かなり長くなってしまううえ、難しい話になってしまうので、ここでは止めておきますが、代わりに藤田紘一郎氏の『腸内細菌が家出する日』に、まるで代弁してくれているような的確な文章が書かれていますので、引用したいと思います。

 

 自分、自己、自我、アイデンティティ、パーソナリティ。これらは心身医療や心理学でよく使われている言葉ですが、「本当の自分」というものは、実際何をもって証明できるのでしょうか。

 といっても、私は禅問答や哲学論を投げかけているわけではありません。きっとこの答えを求めようとすれば、論じる人の数だけ答えがあるくらい、果てしない解となることでしょう。

 しかし逆に、「本当の自分というものはないのだ」という仏教の教えのような解は、生物科学から証明できるようになってきたのではないか、と私は思っています。

 というのも、私が長く研究してきた「寄生虫」と「腸内細菌」のふるまいや、それらが私たちに及ぼす影響を観察することで、そのことを強く実感するようになってきたのです。

 結論を言ってしまえば、「生きとし生けるものはすべて、別の生き物から多大な影響を受け、自己がつくられている」ということになります。(藤田紘一郎『腸内細菌が家出する日』p1~2

 

腸内細菌が家出する日

私たちは腸内細菌によって生かされている

日頃の生活のなかで腸内細菌の存在は見えないため、腸内細菌が私たちの「こころ」に影響を与えているということは、なかなか信じられないかもしれませんし、また、普段、「私」というものを疑ってみたことがない方ほど、私たちは腸内細菌によって生かされているという視点はすぐに納得できないかもしれません。

もちろん、私はこの記事で<私>とは腸内細菌に操られている存在だ、という極端なことを言いたいわけではありません。

ただ、藤田紘一郎氏が「生きとし生けるものはすべて、別の生き物から多大な影響を受け、自己がつくられている」と述べているように、自分の存在が、腸内細菌をはじめとした様々な存在に支えられているという視点をもってみることで、世界の見方が変わり、わたしたちが住む世界の姿が少し変わるかもしれないと思ったのです。

そして、そのことと、あまり無理をせず心が少しでもラクになることが、どこかでつながれば良いのではないかと感じます。

utukaizen.hatenablog.com

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ちなみに『腸内細菌が家出する日』の前半部では、トキソプラズマをはじめとして、サナダムシやフクロムシ、エメラルドゴキブリバチといった寄生生物が宿主である生物の行動をコントロールしているという内容が語られています。

興味がある方は『腸内細菌が家出する日』をぜひ読んでみてください。

 

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