うつを腸内フローラ改善と糖質制限で治すための方法ブログ

うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ改善と糖質制限、DHA)、運動と瞑想で治すための方法ブログです。

うつと腸脳相関の関係とは-『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』

当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善糖質制限)で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。

 

今回は、昨年発売された『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』(ジャスティン・ソネンバーグ、エリカ・ソネンバーグ 著)のなかにある、腸内フローラとうつ病の関係に関する記述をご紹介したいと思います。

まず、腸と脳の関係について、『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』では以下のように書かれています。

 

 腸の神経系は第二の脳だとよく言われる。数億個にも上るニューロンが、胃腸を制御する腸神経系と脳のあいだをつないでいる。この大規模な通信網は、食道から肛門までの消化管全体に目を配っている。腸神経系はきわめて大規模で、中枢神経系からの入力がなくとも独立してはたらくとはいえ、両者はつねに情報を交換しあっている。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原多惠子訳 p172~173

 

 腸神経系のはたらきは、脳と中枢神経によって統制されている。中枢神経は、自律神経系(心拍数、呼吸、消化などを制御する不随意神経系)の交感神経と副交感神経を介して腸と連絡を取りあう。自律神経系の仕事は、食べ物の腸通過時間の調整、胃酸の分泌、腸の内壁を覆う粘膜の合成にある。視床下部‐下垂体‐副腎軸(HPA)は、脳が消化を助けるためにホルモンを使って腸と連絡を取りあうもう一つのメカニズムだ。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原多惠子訳 p173

 

腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方

 

では腸脳相関とうつの関係についてはどうでしょうか?

 

 脳腸軸に問題を抱えた人びとのために、有益な細菌が解決策になるかもしれないと考える人々もいる。サイコバイオティクスと呼ばれる種類のプロバイオティクス菌は、向精神性の化合物を腸から脳に送ることで精神症状を改善することを目論む。行動を正常にする化合物質をつくる細菌を腸に送ることで、より健全な脳腸間の連絡を復活することが可能になる。腸にプロバイオティクス菌を与えると、ストレスやうつの動物モデルでは行動が改善するという証拠が次々に出てきている。ヒトを対象にした予備実験でも、慢性疲労症候群過敏性腸症候群の症状をプロバイオティクスで緩和できることがわかった。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原多惠子訳 p189

 

健康な参加者の場合も、三〇日にわたって毎日二種のプロバイオティクス菌のカクテルを摂取すると、不安感やうつが軽減した。このように楽観できそうな理由はあるのだが、これらはあくまで予備実験であって、過敏性腸症候群や炎症性腸疾患、気分障害(うつや重い不安障害)などの疾患の治療にプロバイオティクス菌をどう取り入れるかは、プラセボを飲む対照群を使った実験で決めるべきだろう。治療は個人化の必要があるかもしれない。しかし、こうした実験が思い起こさせてくれるのは、私たちの体内にいる微生物が脳と腸双方に影響を与える病気にかかわるということだ。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原多惠子訳 p189

 

もちろんこの記述から、ただ単にプロバイオティクス(有用菌が含まれた食品)を摂ることで、腸内フローラのバランスを整えれば、ただちにうつの症状が緩和されたり、うつ病が治ったりすると断言できるわけではありません。

しかし、腸内細菌や私たちの体内に生息する微生物が、わたしたちの心の状態や気分に影響を与えているのは確かであるように思われるため、普段から腸内環境を整える習慣をもつことは、うつの症状をやわらげていくために大切であると考えられます。

 

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