うつを腸内フローラ改善と糖質制限で治すための方法ブログ

うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ改善と糖質制限、DHA)、運動と瞑想で治すための方法ブログです。

腸内フローラのバランスと日和見思考がうつ病の予防になる理由

当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善糖質制限)で治すための方法について書いています。

今回は「腸内フローラのバランスを整えることがうつ病の予防になる理由」についてです。

私たちの腸内には100種類・100兆個以上もの腸内細菌が生息していますが、一般的に腸内細菌は善玉菌・悪玉菌・日和見菌に分類されています。

そして、この善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスは2:1:7が理想だとされています。

この理想的な腸内細菌のバランスは一体何を示唆しているのでしょうか? 

実はその答えは、腸内の悪玉菌が増え過ぎるのは、便秘の原因になったり、体調不良の原因になったりして良くないけれど、かといってむやみに善玉菌ばかりを増やしすぎても、腸内フローラの調和が保たれなくなるため、からだのなかで様々な問題が生じてくる、ということなのです。

たとえば、腸内細菌学のパイオニアである東京大学名誉教授の光岡知足氏は、この腸内細菌のバランスについて、「共生の哲学」として以下のように述べています。

 

 人間社会に照らし合わせればわかりますが、すべての人が熱心に働いているような組織というのはどこか窮屈で、気詰まりがしています。ヒトも生物の一員ですから、なかには怠け者もいますが、そうした人が排除されてしまうような環境はけっして健康的とは言えないでしょう。

 学校で言えば、優秀な人ばかりではなく、落ちこぼれだって必ずいます。テストの出来がいい・悪いだけで、一人ひとりの個性が蔑ろにされてしまうのであれば、それは健全な教育とは言えません。

 どの国、どの時代であっても、悪いことをする人は必ず存在しますが、善いことをする人の割合が一定以上の割合で存在していれば、そうした悪も自然と抑え込まれ、社会の調和は保たれるでしょう。

 すべてを変える必要はないのです。腸内細菌で言えば、ヒトの健康のカギを握るのはビフィズス菌ですから、ビフィズス菌が働きやすい環境を整えていくことを常に考えるようにすれば、悪玉菌の増殖は抑えられ、大多数の日和見菌が悪になびくことがなくなっていきます。

 そう、わずか2割が変わるだけで腸内フローラのバランスは回復し、私たちは心身の健康を確保することができるのです。(光岡知足『腸を鍛える 腸内細菌と腸内フローラ』p178~179)

 

腸を鍛える 腸内細菌と腸内フローラ

 

光岡知足氏がここで述べようとしているのは、腸内フローラの調和を保つためには、「善玉菌=善」「悪玉菌=悪」と決めつけて、悪玉菌だけを排除しようとするのではなく、善玉菌が2割を占めるように、腸内細菌のバランスを整えていくことが大切なのだということです。

そのバランスとは先程も述べたように、「2:1:7」です。

うつをやわらげるために大切なのは日和見菌と日和見思考

ところで、前回の記事では、「心の健康と腸内フローラ・腸内細菌の関係」について述べましたが、そのなかでキセイチュウ博士である藤田紘一郎氏の「腸思考法」を紹介しました。その腸思考法とは以下の通りです。

  1. 固定観念を崩し、逆転の発想をつくる
  2. アサーティブな会話を心がける
  3. 失敗したときでもしなやかな考え方を
  4. 習慣に囚われない
  5. 食事は楽しい環境が大切
  6. 腸が嫌がる食品摂取をやめる
  7. キタナイものにも意味がある
  8. 他人に振り回されない
  9. 世界の中心から離れること
  10. 日和見だっていいじゃないか(藤田紘一郎『遺伝子も腸の言いなり』より

 

この藤田紘一郎氏の腸思考法で特に大切なのは10番目の「日和見だっていいじゃないか」です。

藤田紘一郎氏は『遺伝子も腸の言いなり』のなかで、「日和見に生きる。「こうあるべき」と堅苦しく考えず、そのときそのときの流れにまかせて肩の力を抜いたほうが楽に生きられます」と述べています。

また、腸内フローラのバランスを考える上で重要なカギを握っているのは、腸内環境の状態によって善玉菌にも悪玉菌にもなびく「日和見」であるとしています。

 

 欲のない善人だけでは人間の集団生活は成り立ちません。そしてもちろん、悪人だけでも成り立たないのです。重要なのは「日和見をする人の存在」です。

 だいたい、完全で絶対的な「善」や「悪」はこの世に存在しないのです。社会の状況に応じて善や悪の概念は変化していくものです。それを知っているのが「日和見をする人」なのです。

 私はこの日和見菌のように生きたいと思っています。完璧を目指して苦しむよりも、自分が「日和見」であることをつねに自覚しながら、「日和見」的な生き方を是とするほうが楽に生きられるからです。(藤田紘一郎『遺伝子も腸の言いなり』p206

 

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人生の物事に対して、常に完璧や100%を求めてしまったり、「善」か「悪」か、「白」か「黒」かで線引きしたりすると、固定観念に囚われた心は窮屈になり、苦しくなっていくと思います。

それよりも、うつの症状をやわらげ、少しでも心をラクにしてあげるためには、何でも頭で決めつけず、どっちつかずの「日和見菌」のように、ただぼんやりと空を眺めたりして、深い呼吸を心がけたりして、「いま」の気持ちを宙づりにしてみることが大切になってくるように思います。

 

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