心の健康を取り戻すための腸内フローラ・腸内細菌
当ブログではうつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
私たちの腸内には、実に100種類・100兆個以上もの腸内細菌が生息しています。その様子はお花畑になぞらえて「腸内フローラ」と呼ばれています。
その腸内フローラの様相は人それぞれ違っています。また腸内フローラは、そのときどきの生活習慣や年齢、ストレス、生活環境などによっても影響を受け、変化します。
特に腸内フローラを含めた腸内環境は、私たちの心の在り方とも深い関係があります。たとえば、過度の緊張やストレスによってお腹が痛くなったり、下痢をしたりします。
そのため仕事や人間関係など、日頃の生活において、過度のストレスや悩み事を抱えていると、腸の調子も悪くなりやすいのです。また、腸内環境が正常でなければ、心は元気にならず、気持ちもなかなか晴れないのです。
幸せホルモン「セロトニン」は腸が生み出す
それに加え、腸は幸せホルモンである「セロトニン」と関係しています。
セロトニンは脳における神経伝達物質としてよく知られていますが、このセロトニンとはもともと腸内細菌間の伝達物質であり、その約90%が腸内に存在しています。
腸で作られたセロトニンが脳でそのまま使われるわけではありませんが、腸で作られたセロトニンの前駆物質は脳に送られ、脳のセロトニン濃度に影響を与えているといわれています。
そのため、多様な腸内細菌の集まりである腸内フローラのバランスを整え、腸内環境を改善していくことが、普段の私たちの心の有り様を変えると考えられるのです。
腸内環境は「運」と関係する!?
ちなみにこれは私自身の経験則ですが、ストレスなどによって腸内環境が悪化していると、どういうわけか、気分も落ち込み、考え方もネガティブになるような気がします。
一方、腸内環境が良いと、楽観的な考え方ができるようになり、気持ちもポジティブになります。
このことは「腸脳相関」や「脳腸相関」といった言葉が示すように、腸と脳が神経系でつながっていることと、深く関係しているように思います。
そして、便秘やストレスによる腸内環境の悪化によって気分が塞ぎこみがちになると、どういうわけか、自分にとってイヤな出来事が連続して起こるようになります。
ところが、腸内フローラの状態が良好だと、気持ちも晴れて、ラッキーな出来事も起こりやすくなるのです。
これはあくまで私の経験であり、このあたりの因果関係について科学的に証明することはできませんが、腸と心の状態は、どういうわけか「好運」や「幸運」、「引き寄せの法則」とも関わってくるように思います。
「脳」ではなく「腸」が考える
また、なるべくふさぎ込まない毎日を送るためには。「脳(あたま)」ばかりで考えず、「腸(おなか)」で考えることも必要になってくると感じられます。
これはどういうことかといえば、普段は物事を考えるのに、頭ばかりを使っているけれど、「腸(おなか)」を主体にして物事を考えるという逆転の発想を行ってみるということです。
分かりやすく言えば、「脳(あたま)」ではなく、「腸(おなか)」を中心にして物事を捉えるということです。
つまり、日頃の生活において、「腸(おなか)」が嫌がっているようなことは避け、それと同時に、「腸(おなか)」が喜ぶような習慣を送ってみるということです。
このことはそれほど難しいことではありません。
たとえば、何かに接する度、強いストレスを感じ、おなかの辺りに不快な症状が感じられるのであれば、頭ではいろいろと理屈をこしらえるかもしれませんが、腸(おなか)が発するメッセージに従って、その原因を取り除くよう心がけることが重要なのです。
また食生活に関しては、脳が「美味しい」と喜ぶものだけではなく、食物繊維やオリゴ糖など、腸や腸内細菌が喜ぶ食べ物を送り込んであげることも大切になってきます。
このことに関して、たとえばキセイチュウ博士である藤田紘一郎氏は『遺伝子も腸の言いなり』のなかで、「腸思考法」として以下を挙げています。
- 固定観念を崩し、逆転の発想をつくる
- アサーティブな会話を心がける
- 失敗したときでもしなやかな考え方を
- 習慣に囚われない
- 食事は楽しい環境が大切
- 腸が嫌がる食品摂取をやめる
- キタナイものにも意味がある
- 他人に振り回されない
- 世界の中心から離れること
- 日和見だっていいじゃないか
つまり、うつの症状を少しでもやわらげるためには、何でも頭(脳)だけで考えず、おなかやカラダが発するメッセージに耳を澄ましてみることも大切なのです。