オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)の脳の炎症を抑える効果とは?
当ブログではうつ病予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
前回はDHA・EPAのうつの症状を改善する効果について書きましたが、今回はオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)の脳の炎症を抑える効果について述べていきたいと思います。
ちなみに前回の記事のおさらいですが、「オメガ3脂肪酸(DHA・EPA・α-リノレン酸)」がなぜうつの症状を改善するのに役立つのでしょうか?
その理由は、脳の神経細胞のネットワークにおいて、一方の神経細胞が投げた伝達物質というボールを、もう一方の神経細胞の構えるミットである受容体にキャッチする際、よりうまくキャッチするのは、オメガ3脂肪酸で出来た柔らかい膜だからです。
また、ブドウ糖、ホルモン、ビタミンなども受容体に受けとってもらうことで初めて、神経細胞の内側に取り込まれて活用されることになるため、伝達物質、ブドウ糖、ホルモン、ビタミンなど様々な物質がきちんとキャッチされるためには、オメガ3脂肪酸をしっかりと摂ることが重要になってくるのです(詳しくは以下の記事をご参照ください)。
今回はオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)の脳の炎症を抑える効果についてです。(脳の炎症とうつの症状の関係性については、以前の記事でも取り上げましたので、詳しくは以下の記事をご参照ください)。
特に、脳の炎症や、炎症とうつとの関係性について言及しているのは、アメリカの神経科医のデイヴィッド・パールマター氏やジーン・カーパー氏です。
脳疾患も含めてすべての変性疾患を引き起こすのが「炎症」であることは、研究者たちにはかなり前から知られていた。そして研究者たちは、グルテン、さらに言えば高炭水化物の食事が脳に達する炎症反応の原因になっていることを見出しつつある。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p53)
炎症は、徐々に脳の破壊を進行させ、脳卒中、むら気、精神分裂病、そしてアルツハイマー病などの神経変性症から、自然な老化での知能低下まで、広い範囲で脳の脅威となっていることが認識されるようになった。炎症が遅効性の神経毒のように働くことを知っていたら、炎症反応を点火させる燃料を、毎日の食事でせっせと補給したいなどとは、誰も思わないはずだ。オメガ6脂肪酸がまさにこの点火燃料になることは、一般にまだほとんど知られていない。しかし、オメガ6が極めて炎症を誘発しやすいことは、すでに科学的に立証されている。(ジーン・カーパー『奇跡の脳をつくる食事とサプリメント』丸本淑生訳 p89)
DHA・EPAが脳の炎症を抑える
デイヴィッド・パールマター氏やジーン・カーパー氏は、糖質やグルテン、サラダ油に多く含まれているオメガ6脂肪酸などが、脳に炎症を起こす引き金になると述べていますが、この炎症を抑える働きがあるのがDHAをはじめとしたオメガ3脂肪酸なのだというのです。
人間の脳はその重さの三分の二以上が脂肪であり、そのうちの四分の一がDHAである。そしてこのDHAは抗炎症作用を持っていて、体に負担がかかるような食事をとると、体を守るために戦士のように戦ってくれる。たとえば、グルテンに反応して起こる腸の炎症を抑えたり、糖質(とくにはちみつや果物に含まれる果糖)たっぷりの食事による悪影響を防いだり。さらに、炭水化物を摂りすぎて脳の代謝が低下するのを防いだりする。(デイビッド・パールマター/クリスティン・ロバーグ『「いつものパン」があなたを殺す』 p252~253)
魚の油は、脳血管や脳細胞で炎症を抑制することでも、脳を強力にガードしてくれている。専門家のあいだでは、炎症は脳の組織や機能の破壊の原因になり、脳卒中やアルツハイマー病を進行させるという認識が高まっている。炎症を誘発して血管にダメージを与えたり細胞間の情報伝達を妨害するホルモン様物質であるプロスタグランジン、ロイコトリエン、サイトカインの生成を、オメガ3は抑えてくれる。オメガ6を多く含んだ油(コーン・オイル、紅花油、ひまわり油、大豆油など)を摂る量が多いほど、オメガ3の摂取量も増やさないと、炎症を抑えにくくなってしまう。(ジーン・カーパー『奇跡の脳をつくる食事とサプリメント』丸本淑生訳 p104~105)
このように、オメガ3脂肪酸(DHA・EPA・α‐リノレン酸)は、脳の炎症を抑えるのに有効だとされています。
もちろん、オメガ3脂肪酸をたっぷり摂れば、それだけでうつの症状が劇的に改善されるとは言えないかもしれませんが、日頃の食生活において、DHAやEPAが不足しないように心がけることは、脳の炎症を抑えることでうつの症状を少しでもやわらげ、脳と心の健康を維持していくためには大切だと考えられるのです。
また、普段からDHAとEPAが不足していると感じている方は、 DHA&EPAオメガプラス や【DHA&EPA+サチャインチ】 などのサプリメントや、亜麻仁油・えごま油から摂ることで、オメガ3脂肪酸の不足を解消するのがオススメです。
DHA&EPAオメガプラス はオメガ3脂肪酸の補給に効果的です。
うつを緩和するには、腸内環境の改善と糖質制限、食事・運動・瞑想が大切です。
DHA・EPAのうつの症状を改善する効果とは?
当ブログではうつ病予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
今回はDHA・EPAのうつの症状を改善する効果について書いていきたいと思います。
以前の記事で、うつの症状を改善していくためには、油の摂り方が非常に大切な要素になってくると述べました。
その油の摂り方のポイントとは、簡単にいえば、なるべくサラダ油などに多く含まれているオメガ6脂肪酸(主にリノール酸)やトランス脂肪酸を減らし、代わりにオメガ3脂肪酸(DHA・EPA・α‐リノレン酸)をたくさん摂るようにすることです(詳しくは以下の記事をご参照ください)。
今回は、オメガ3脂肪酸のうちの、特にDHAがいかにうつの症状を改善していくために大切かということを、生田哲氏の『心の病は食事で治す』を取りあげながら見ていきたいと思います。
魚油の抗うつ効果は奇跡としかいいようがない。ここでいう魚油は、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)のことで、どちらも脳の神経細胞の膜や伝達物質の受容体の膜の成分だが、サプリメントとして摂取した場合の抗うつ効果は、DHAがEPAよりも高い。これは、DHAのほうがEPAよりも脳の関所である血液‐脳関門を楽に通過できることとよく一致している。(生田哲『心の病は食事で治す』p186)
では、魚油はどんなしくみで落ち込んだ気分を高めるのだろうか。この謎を解く鍵は、脳内におけるオメガ3脂肪酸のはたらきが握っている。
こういうことだ。脳では神経細胞がネットワークを形成し、一方の神経細胞が投げた伝達物質というボールを、もう一方の神経細胞の構えるミットである受容体にキャッチしてもらい、情報伝達が伝わる。また、ブドウ糖、ホルモン、ビタミンなども受容体に受けとってもらってはじめて、神経細胞の内側に取り込まれて活用される。(生田哲『心の病は食事で治す』p186)
伝達物質、ブドウ糖、ホルモン、ビタミンなどさまざまな物質が、受容体に受けとってもらい、つぎに神経細胞に取り込まれて利用される。そして大事なことは、受容体の形は受け取る物質ごとに決まっていて、物質が受容体にピッタリおさまったときだけ神経細胞に取り込まれることだ。だから、受容体は、流れてくる物質を捕らえる瞬間、物質を正確にキャッチするために、微妙に形を変えねばならない。(生田哲『心の病は食事で治す』p186~187)
もしこの膜が魚油(オメガ3脂肪酸)でできたやわらかいものなら、キャッチの瞬間、膜がうまくすべって受容体の形を調整する。しかしもしこの膜が、ラード(豚脂)やヘット(牛脂)などを主成分にしてできた硬いものなら、キャッチの瞬間、膜がうまくすべらない。このため、受容体はうまく形を整えることができないこともある。このとき、伝達物質やビタミンB群を捕らえ損ねてしまう。(生田哲『心の病は食事で治す』p187)
引用文が長くなってしまいましたが、ここで生田哲氏が述べようとしているのは、どういうことでしょうか?
それは、脳の神経細胞のネットワークにおいて、一方の神経細胞が投げた伝達物質というボールを、もう一方の神経細胞の構えるミットである受容体にキャッチする際、よりうまくキャッチするのは、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸で出来た固い膜ではなく、オメガ3脂肪酸で出来た柔らかい膜だということです。
そして、「ブドウ糖、ホルモン、ビタミンなども受容体に受けとってもらってはじめて、神経細胞の内側に取り込まれて活用される」ため、オメガ3脂肪酸で出来た膜によってきちんと、伝達物質、ブドウ糖、ホルモン、ビタミンなど様々な物質がキャッチされることが大切になってくるのです。
DHAとEPAの不足を解消するには?
しかし、現代の日本人の食生活は、DHAやEPAがたっぷりと含まれている青魚を摂る機会が減り、代わりにファストフードや加工食品、加工肉などからオメガ6脂肪酸やトランス脂肪酸などを摂り過ぎてしまっています。
したがって、脳と心の健康を保つために大切になってくるのは、冒頭でも述べた通り、オメガ6脂肪酸やトランス脂肪酸を減らし、代わりにオメガ3脂肪酸をバランスよく摂るようにすることです。
ちなみにオメガ3とオメガ6の割合は「1:1」もしくは「1:2」が理想だとされています。
ところが、「DHA」や「EPA」などのオメガ3脂肪酸は1日の1000mg程度摂る必要があると言われているため、青魚を食べる習慣がほとんどなく、特に油の摂り方にも気をつけていないという方は、慢性的なDHA不足に陥っている可能性があります。
そのため、普段の生活でオメガ3脂肪酸を十分に摂れていないという方は、【やわたのDHA&EPA】 や【DHA&EPA+サチャインチ】 といったサプリメントから手軽に摂取したり、α‐リノレン酸が体内でDHAとEPAに変換される油(亜麻仁油やえごま油など)を食卓に採り入れることで、DHAとEPAの不足を解消されることをおすすめします。
以上、DHA・EPAのうつの症状を改善する効果について述べてきましたが、うつの症状を食事と栄養で改善していくためには、油の摂り方とオメガ3脂肪酸(DHA・EPA・α‐リノレン酸)が大切になってきますので、ぜひオメガ3脂肪酸の重要性と普段の油の摂り方に気をつけてみてください。
低血糖症とうつとの関係性とは?
当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
今回は低血糖症とうつとの関係性についてです。
低血糖症は砂糖をはじめとした糖質の摂り過ぎによって引き起こされやすくなりますが、なぜ低血糖症がうつの症状と関係してくるのか、改めて取り上げてみたいと思います(なお、糖質制限とうつの改善の関係性の詳細については以下の記事をご参照ください)。
まず、血糖値を急激に上げる糖質の何が問題なのかといえば、砂糖や精製でんぷんなどの糖質は、血糖値の乱高下を引き起こすからです。
たとえば生活習慣病のひとつである糖尿病とうつ病は併発するリスクが高いと一般的に言われていますが、実はGI値が高い糖質の摂り過ぎは血糖値を高めるだけではなく、その後、インスリンが大量に分泌されることによって今度は急激に血糖値を低下させてしまうのです。
その血糖値の乱高下が、うつや不安障害をはじめとした精神的不安定さを引き起こすということが、薬学博士の生田哲氏や栄養療法の専門家の溝口徹氏などによって指摘されています。
低血糖という現象は、糖尿病で血糖値を下げる薬を飲んだり、インスリンを注射している人が誤って大量に注射したときにしばしば発生することは、よく知られている。しかし糖尿病でなくとも、血糖値が高血糖と低血糖の間を乱高下する人は、かなりいる。これが〝食源性の低血糖症〟で本書で取り上げているものだ。血糖値がこのように乱高下する低血糖症の人には、イライラ、怒り、眠気、疲労感、うつなどの症状が現れる。
(生田哲『心の病は食事で治す』p68)
心の平安は、ガソリンであるブドウ糖を脳に安定的に供給してこそ得られる。脳へのブドウ糖の供給が不安定になる現象を低血糖症といい、ムードスイング、心の混乱、脱力感、無気力、めまい、震え、不安、うつなどの症状を引き起こす。
もちろん、血糖値の乱高下は、甘い物を食べたすべての人に起こるのではない。もしだれにでも起こるなら、糖尿病や低血糖症を調べるために七五グラムのブドウ糖を飲む糖負荷試験は臨床検査として使えないことになる。低血糖症の人がこれらの甘い物を食べたときに血糖値の乱高下は起こるのである。(生田哲『心の病は食事で治す』p71~72)
もしあなたが食後によって血糖値が急激に上昇し、インスリンの大量放出によって下がったことが原因で、あなたは、知らず知らずに何か甘いものを探しているのである。
砂糖や精製デンプンの多い食事は、低血糖症者に食後の低血糖を引き起こしやすい。この低血糖があなたに甘いものを渇望させるのである。(生田哲『心の病は食事で治す』p77)
ただし、低血糖症というのは、血糖値が低くなることだけが問題になるのではない。上がったり下がったりを繰り返したり、低い値で推移していくという状態もある。インスリンの分泌が正常なかたちから著しく逸脱する人もいるなど、人によってあらわれ方はさまざまだが、一日を通して、安定した血糖値を維持することが困難になることによって、身体や心に起こってくるさまざまな症状が、問題になる病気なのである。(溝口徹『「うつ」は食べ物が原因だった!』p111~112)
このように低血糖症とうつの症状は深く関係していると思われますが、この「低血糖症」に関して生田哲氏は『心の病は食事で治す』のなかで、「低血糖症は、食事をバランスのとれたものに変更し、不足している栄養素をサプリメントで補い、運動、休養を取り入れるなど、生活習慣を改めるならば、著しく改善されることが実証されている」と述べています。
すなわち、深刻な低血糖症に陥らないためにまず重要になってくるのは、生活習慣なのであり、具体的には日頃の食習慣を見直して、出来る範囲で改善していくことなのです。
そして、気分を落ち着かせてうつの症状を少しでもやわらげ、心の状態を安定させるために大切になってくるのは、砂糖や精製デンプンなどの血糖値を急激に上げる糖質を控えることから始める糖質制限と、腸内細菌叢のためにもなる、糖質の吸収をゆるやかにする食物繊維がたっぷりの食事なのだと考えられるのです。
ナイアシンとパントテン酸のうつを改善する効果
当ブログではうつ病の予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
今回はビタミンB群のうちのナイアシンとパントテン酸のうつを改善する効果についてです。
ちなみに以前の記事で、うつの症状をやわらげるためにはビタミンB群をきちんと摂るようにすることが大切だと書きました。
またおさらいですが、ビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)は協同して働くため、なるべく一緒に摂ったほうが効果的です。
ではナイアシンとパントテン酸についてですが、まず、ナイアシンとパントテン酸は、以下のような働きがあります。
ナイアシン(ビタミンB3)
パントテン酸(ビタミンB5)
また、ナイアシンとパントテン酸については、薬学博士の生田哲氏の『心の病は食事で治す』のなかに、心の病と関係する記述がありましたので、参考までに引用したいと思います。
ビタミンB群を摂取すると不安が軽くなることがある。事実、不安障害に見られる多動、神経質、疲労、うつ、心配、不眠などの症状は、ビタミンB群の一つであるナイアシン(またはナイアシンアミド)の不足によっても生じる。(生田哲『心の病は食事で治す』p157)
ナイアシン研究のパイオニアであるアブラハム・ホッファー博士は、不安障害の症状は、軽度のナイアシン欠乏症(無症状のペラグラ)と非常によく似ていると指摘している。その症状は、うつ状態、疲労、心配、頭痛、多動、不眠である。(生田哲『心の病は食事で治す』p58)
ストレスを受けると、副腎からアドレナリンやコルチゾールといったホルモンが放出されてストレスに対抗する。アドレナリンやコルチゾールをつくるには、パントテン酸とビタミンCが必要だ。このため、パントテン酸とビタミンCは「抗ストレスビタミン」と呼ばれている。(生田哲『心の病は食事で治す』p59)
このように、ナイアシンとパントテン酸は、脳と心の健康に深く関わっているビタミンであるため、うつの症状を少しでもやわらげるためには、日頃の食生活のなかで不足しないように心がけることが大切になってきます。
ナイアシンを多く含む食材・・・レバー、玄米、マグロ、タラ、牡蠣、イカなど。
パントテン酸を多く含む食材・・・酵母、ピーナッツ、豆腐、ネギ、ニラ、ブロッコリーなど。
ココナッツシュガーが砂糖代わりにオススメなわけ
当ブログではうつ病予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
今回はココナッツシュガーが砂糖代わりに使う甘味料としてオススメな理由を書いていきたいと思います。
では、なぜココナッツシュガーが甘味料としてオススメなのかといえば、そのわけは、ココナッツシュガーのGI値はおよそ30と非常に低いからです。
また、ココナッツシュガーは非常に香ばしい味わいで、甘みも十分、コーヒーやココアに入れる砂糖の代用品として最適なのです。
ちなみに 「低GI値」の「GI」とは、Glycemic Index(グリセミック・インデックス)の略称です。
この「GI」とは食後血糖値の上昇度を示す指標のことで、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取二時間までに血液中に入る糖質の量を計ったもののことをいいます。
白砂糖やグラニュー糖は 「GI値」が100を超えてくるため、血糖値の乱高下や低血糖を引き起こす原因になってしまいます。
血糖値をうまくコントロールできない状況、言い換えれば、血糖値の上がり下がりが激しい状況を血糖代謝異常(低血糖症)と呼んでいる。血糖代謝異常のおもな症状は、朝起きられない、強い疲労感、気分の落ち込み(うつ症状)、気分のコントロールがきかない、集中力の欠如、物忘れがひどい、イライラ、突然の怒り(キレる)、めまい、ふらつき、悪夢、夢遊病、眠っている間に話す、不安、恐れ、震えなどである。(生田哲『食べ物を変えれば脳が変わる』p120)
砂糖や砂糖のように高度に精製されたカーボは、脳内の伝達物質に働きかけるばかりでなく、血糖に大きな影響をおよぼします。甘いものを食べると伝達物質レベ ルと血糖がいっしょに上がり、一時的な陶酔感や快感が得られますが、つぎに、両方とも下がります。こうして気分が落ち込み、元気がなくなります。これがうつです。(生田哲『砂糖をやめればうつにならない』p103)
(うつの症状と砂糖の関係性については以下の記事をご参照ください。)
しかしココナッツシュガーの 「GI値」 はなんと「30前後」となっており、非常に低いのです。
またココナッツシュガーにはナトリウムやカリウム、マグネシウム、鉄、イノシトールなども含まれています。
もちろん、だからといって、コーヒーや紅茶などに、好きなだけ加えて良いということにはなりませんが、うつの症状の改善のために甘い物を控えたいけれど、甘い物が好きでなかなかやめられないという方に、砂糖に替わる甘味料として、低GI値のココナッツシュガーはオススメです。
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カルシウムとマグネシウムのうつを改善・予防する効果とは?
当ブログではうつ病予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
前回は、うつの改善と予防のために必要なミネラルとして、鉄と亜鉛を取りあげましたが、今回は必須ミネラルのうちの、カルシウムとマグネシウムを取りあげたいと思います(ちなみに以下は前回のおさらいです)。
ミネラルはからだの細胞の健康を維持していくうえで、必要不可欠な栄養素です。特に様々な生理作用に関わっている「必須ミネラル(カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルト、クロム)」は体内でつくることができないため、からだとこころの健康を保っていくためには、それぞれを食べ物から積極的に摂らなければなりません。
また加工食品を食べる機会が多くなったことから、慢性的なミネラル不足が懸念されます。
ちなみに16種類の必須ミネラルの主な働きとしては、以下のようなものがあります
- 骨や歯・血液など体の構成成分となる作用
- 酵素の働きをサポートする作用
- 体液の浸透圧・pHを調整する作用
- 神経・筋肉機能を正常に保つ作用
- 脳を活性化する作用
では、必須ミネラルのうちの「カルシウム」と「マグネシウム」はどのような役割を果たしているのでしょうか?
「カルシウム」は、新しい骨や歯を作ったり、体の機能の調整したりするために必要なミネラルです。また、骨粗しょう症の予防や血液が固まるのを助ける効果、ストレスをやわらげる効果などもあります。
一方、「マグネシウム」には、骨を丈夫につくる効果、高血圧予防効果、心疾患予防効果、精神を安定させる効果などがあります。
では「カルシウム」と「マグネシウム」が、うつの改善と予防に関わる心の健康と、どのように関わってくるのでしょうか?
この「カルシウム」と「マグネシウム」の重要性について、薬学博士の生田哲氏や栄養療法の専門家の溝口徹氏は以下のように述べています。
不安やイライラに襲われたとき、あるいは、ストレスから解放されたいとき、その解決策にミネラルを摂取しようと思う人はあまりいないだろう。しかしじつは、これがとても効果的なのである。カルシウムやマグネシウムは「自然の精神安定剤」で、神経や筋肉の細胞をリラックスさせてくれる。
もしカルシウムやマグネシウムが不足すると、不安やイライラが起こり、攻撃的になりやすい。筋肉のケイレンも、マグネシウム不足によって起こることが多い。
(中略)
最近、マグネシウム不足が心の病の原因になっていると指摘されている。皮肉にも、精神科の薬を服用するとカルシウムもマグネシウムも失われやすくなる。これが患者の心の状態を悪化させているようだ。(生田哲『食べ物を変えれば脳が変わる』p92)
ミネラルで忘れてならないのがカルシウムだ。神経伝達物質が合成されるときに捕因子としてかかわるわけではないが、その存在感は際立っている。神経伝達物質が神経細胞から放出されるためには、カルシウムが絶対に必要なのだ。
たとえば、うつ状態にあるときには、「やる気を出せ」という信号が神経細胞に伝わる。それを受けて神経細胞はセロトニンを放出するわけだ。その際、セロトニンがポンと飛び出すきっかけをつくるのがカルシウムなのである。(溝口徹『「うつ」は食べ物が原因だった!』p68~69)
カルシウムが存分にその機能を発揮するためには、マグネシウムがなくてはならない。それはマグネシウムについても同じ。お互いがお互いの、絶妙なサポート役を果たしているのである。つまり、カルシウムだけたくさん摂ってもだめで、一緒にマグネシウムも摂る必要があるということだ。(溝口徹『「うつ」は食べ物が原因だった!』p70~71)
(中略)
最近の日本人の食生活では、カルシウム不足がしばしば指摘されるところだが、なぜかマグネシウムについては多くが語られることはない。しかし、現実にはカルシウム以上にマグネシウム不足に目を向けるべきなのだ。その兄弟関係を考えれば、「1対1」の割合で摂取してこそ、両者が思う存分の働きができるとわたしは考えている。(溝口徹『「うつ」は食べ物が原因だった!』p71)
つまり、カルシウムやマグネシウムは、生田哲氏が言うことには、「自然の精神安定剤」としてストレス対策やイライラを抑えるために必要になってくるのです。
また、溝口徹氏はカルシウムが「やる気」や「セロトニン」にも関わってくるとしています。さらに氏は「カルシウムとマグネシウムは同じ比率で排泄される」という理由から、どちらかを偏って摂るのではなく、カルシウムとマグネシウムは「1:1」の割合で摂取するのが望ましいと述べています。
以上、カルシウムとマグネシウムのうつを改善・予防する効果について書いてきましたが、カルシウムとマグネシウムはこのように精神的な面に関わってきますので、うつの症状を少しでもやわらげるためには、日頃の食生活において不足しないように気をつけてみてください。
うつの改善と予防にミネラル(鉄・亜鉛)が必要な理由
当ブログではうつ病予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善と糖質制限)で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。
今回は、うつの改善と予防にミネラル(特に鉄・亜鉛)が必要な理由についてです。
ミネラルはからだの細胞の健康を維持していくうえで、必要不可欠な栄養素です。特に様々な生理作用に関わっている「必須ミネラル(カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルト、クロム)」は体内でつくることができないため、からだとこころの健康を保っていくためには、それぞれを食べ物から積極的に摂らなければなりません。
また精製された加工食品を口にする機会が多くなったことから、体内の慢性的なミネラル不足が懸念されます。
ちなみに16種類の必須ミネラルの主な働きとしては、以下のようなものがあります。
- 骨や歯・血液など体の構成成分となる作用
- 酵素の働きをサポートする作用
- 体液の浸透圧・pHを調整する作用
- 神経・筋肉機能を正常に保つ作用
- 脳を活性化する作用
このように必須ミネラルの働きはどれも大事ですが、うつの症状を改善していくために大切になってくるのは、必須ミネラルのうちでも特に「鉄」と「亜鉛」です。
鉄
この鉄の重要性について、栄養療法士の溝口徹氏は、以下のように述べています。
鉄は神経伝達物質の反応に深くかかわっている。その鉄が欠乏すれば、さまざまな精神症状が出てくる。些細なことでクヨクヨする。気分が憂鬱になるといったことが起こるし、睡眠のリズムの崩れから、寝起きが悪い、夜中に目を覚ましやすいなどの睡眠障害があらわれることもある。
また、酸素の運搬でも重要な働きをしているから、酸素供給が不足して疲れやすく、階段の上り下りがつらい、身体を休めないと夕食の準備にとりかかれない、などということにもなるのだ。(溝口徹『「うつ」は食べ物が原因だった!』p135)
亜鉛
次に、亜鉛の重要性について、薬理博士の生田哲氏は以下のように述べています。
亜鉛はすべての細胞に存在し、全酵素二二〇〇種類のうち一〇〇種類以上の酵素の捕因子になっている。どのミネラルよりも多くの酵素を助けているのが、亜鉛なのだ。それほど大事な亜鉛だが、じつはいちばん不足しやすく、心の健康にもっとも影響をおよぼす栄養素でもある。(生田哲『食べ物を変えれば脳が変わる』p94)
亜鉛の不足は統合失調症、うつ、不安、摂食障害、多動などの危険因子になる。要するに、心の健康を妨げるのだ。
食事からの亜鉛の摂取が不足ぎみであるばかりか、生体がより多くの亜鉛を必要とする状況も増えている。たとえば、ストレス、感染、月経前症候群、ホルモンのインバランス、経口避妊薬、過剰な銅、過度の飲酒、血糖値の不安定などだ。それから、体質的に亜鉛を多く必要とする人もいる。(生田哲『食べ物を変えれば脳が変わる』p95)
溝口氏や生田氏がこのように述べているように、鉄と亜鉛は、心の健康に深く関わってくるミネラルなのです。
そのため、なるべく不足しないようにすることが、うつの対策のためには必要になってきますが、特に女性は鉄、男性は亜鉛が不足しがちになるといいますので、注意が必要です。
ちなみに亜鉛は肉類や魚介類、穀類など多くの食品に含まれていますが、特に亜鉛を豊富に含んだ食品としては、豚レバーや牡蠣(カキ)、カラスミなどが挙げられます。
また、鉄は動物のレバーや赤身の肉、貝類、小魚、大豆、ほうれん草や小松菜などに多く含まれており、特に鉄を多く含んでいる食品としては、豚レバー、鶏レバー、シジミやあさりなどがあります。