うつを腸内フローラ改善と糖質制限で治すための方法ブログ

うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ改善と糖質制限、DHA)、運動と瞑想で治すための方法ブログです。

うつの症状と似ている「副腎疲労症候群」とは?

当ブログではうつ病予防と、うつの症状を食事と栄養(主に腸内フローラ・腸内環境改善糖質制限)で治すための方法について書いています(あくまでうつの症状をやわらげるためのひとつの手段です)。

 

今回はうつの症状と似ている「副腎疲労症候群」についてです。

では、「副腎疲労症候群」とはどういったものでしょうか?

この「副腎疲労症候群」について、藤森徹也氏が著作のなかで簡潔に説明していますので、引用してみたいと思います。

 

 副腎疲労症候群は、文字通り副腎が疲れてしまう病気です。副腎とは、左右の腎臓の上部に覆いかぶさるようにある臓器で、多種のホルモンを分泌する内分泌器官です。副腎からは生命の維持にとって極めて重要な数々のホルモンが分泌されているため、副腎が正常に機能するか否かは、生命そのものに関わります。慢性的な疲労に悩み、病院の検査では異常なしと診断され、うつ病の治療をしても症状が改善しないという場合、数々のホルモンのなかでも特に注目したいのは、「コルチゾール」という副腎皮質ホルモンです。(藤森徹也『副腎疲労症候群』p17

 

また副腎が分泌する、抗ストレスホルモンとして有名な「コルチゾール」については以下のように述べています。

 

 コルチゾールは「ストレスホルモン」とも呼ばれ、身体にストレスがかかると分泌されるホルモンです。ストレスへの耐久力や回復力を増加させ、主に体調を保つ役割を担っています。このコルチゾールが適量分泌されることで、私たちの身体は日々のストレスから守られているのです。(藤森徹也『副腎疲労症候群』p17

 

 コルチゾールには細胞をストレスから守り、元気にする働きがあります。免疫機能や血圧、血糖値の調整、水分やエネルギーの代謝に、塩分のコントロール、脂肪の分解、アレルギー症状を抑える抗炎症作用など非常に多くの役割を担っているため、コルチゾールの分泌量に異常が生じると、身体のありとあらゆる部分に不調をきたすのです。(藤森徹也『副腎疲労症候群』p34~35

 

副腎疲労症候群

この「副腎疲労症候群」は、藤森氏も述べていますが、うつの症状と間違われやすいため、何となくやる気が出ず、それがずっと続く場合は、「うつ」だけではなく、「副腎疲労症候群」を疑ってみることも必要になってきます。

また副腎の疲労を回復させるには、ビタミンCをはじめとした栄養素の補給が重要だとされていますが、症状が重い場合は、市販のサプリメントに頼らず、医療機関での診療を受け、専門医から処方されたものを摂ることが大事だと言います。

 

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ビタミンCのストレスをやわらげ、うつを改善する効果とは?

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今回はビタミンCのストレスをやわらげ、うつを改善する効果についてです。

うつの症状を少しでも緩和していくためには、こまめなビタミンCの摂取が大切になってきます。

なぜなら、「L‐トリプトファン」や「L‐フェニルアラニン」といったセロトニンドーパミンの前駆物質が作られるためには、ビタミンCが必要になってくるからです。

つまり、前回の記事で書いた「ビタミンB群」と同様、ビタミンCをきちんと摂るようにしなければ、結果的にセロトニンドーパミンなどの神経伝達物質がスムーズに作られなくなるのです。

 

また「アドレナリン」や「ノルアドレナリン」といった抗ストレスホルモンの合成にもビタミンCは関わっています。

もしビタミンCの不足によって「ノルアドレナリン」と「アドレナリン」が作られにくくなると、やる気や集中力が低下してしまうため、「うつ」などの症状も起こりやすくなるとされています。

 

そのため、ビタミンCはストレスに打ち勝つためにも大切になってきます

特にビタミンCとストレスの関係で重要になってくるのは、「副腎」の存在です。

 

 副腎の代謝にかかわるすべてのビタミン、ミネラルのなかで、もっとも重要なのがビタミンCだ。ストレスは副腎の疲労につながる大きな要素だが、そのストレスとビタミンCのかかわりは極めて深い。

 あえてストレスをかけて、ビタミンCの血中濃度を測るという動物実験では、ストレスが強いほど、体内でビタミンCが大量に合成、消費されることがわかっている。人間の体内ではビタミンCはつくられないから、ストレスによって、当然不足してくる。(溝口徹『アレルギーは「砂糖」をやめればよくなる!』p144

 

 仕事がハードだったり、睡眠不足だったり、といったときの肉体的なストレスもあれば、人間関係や仕事の悩みなどからくる精神的なストレスもあるわけだが、ビタミンCはその種類に関係なく、ストレスがかかれば不足するのだ。

 また、副腎でコルチゾールやアドレナリンなどのホルモンがたくさんつくられれば、補酵素として働くビタミンCも多く使われるということもあり、その意味でも十分に供給することが大切なのである。(溝口徹『アレルギーは「砂糖」をやめればよくなる!』p145

 

副腎は抗ストレスホルモンである「コルチゾール」を作り出しますが、慢性的なストレスによって、副腎がなかなかコルチゾールを合成できなくなってくると、「副腎疲労症候群」と呼ばれる、朝になかなか起きられなかったり、やる気が出なかったりする、非常にうつと似た症状が起きてしまう可能性があるのです。

 

したがって、うつの症状の予防と、ストレス社会への対策のために、こまめなビタミンCの摂取は重要な役割を果たすのです。

 

 ビタミンCは体内の臓器によっては高濃度に含まれており、必要量が増えたときのために貯蔵されているのである。その機能を担っている臓器のひとつが副腎である。副腎では、かなりの高濃度でビタミンCをため込んでおくことができる。ストレスをはね返すホルモンをつくり出す副腎は、ビタ ミンCを待ち望んでいる。このストレス社会に打ち克つためには、身体にビタミンCをつぎ込む努力を惜しまないでいただきたい。(溝口徹『「うつ」は食べ物が原因だった!』p163~164

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ちなみに、十分な量のビタミンCを手軽に摂取したい方は、粉末のかたちで売られているL-アスコルビン酸がおすすめです。

以下のような高品質なL-アスコルビン酸を、水や飲料などに溶かしてこまめに飲むことは、うつ対策のためのビタミンCの補給方法として効果的です。

 

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また、ビタミンCを天然由来の食材から補給したい方は、サジージュースを利用することがオススメです。

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ビタミンB群のうつを改善する効果とは?

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今回はビタミンB群のうつを改善する効果についてです。

ビタミンBの種類にはビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシンパントテン酸葉酸、ビオチンがありますが、ビタミンB群をきちんと摂るようにすることは、うつの症状をやわらげるために大切になってきます。

実は体内のビタミンB群はストレスによって減少してしまいますし、また、お菓子やカップ麺など、加工食品の摂り過ぎもビタミンB群を減らしてしまう原因になるといいます。

特にナイアシン葉酸、ビタミンB6などは、セロトニンドーパミンといった神経伝達物質の合成のために必要になってきます。そのためビタミンB群が不足してしまうと、セロトニンドーパミンがスムーズに作られないという問題が生じてきます。

 

 ビタミンB群はすべての神経伝達物質の生合成にかかわっている、きわめて重要な栄養素だ。とくにビタミンB6は、すでに説明したように、たんぱく質がGABAやドーパミンセロトニンにつくり変えられるところで働いている(略)。

 欠乏していることを示す症状で、まずあげなければならないのが睡眠障害。睡眠のリズムが乱れ、昼間に眠くなったり、夜は寝たいのに寝られなくなったりする。(中略)

 ビタミンB群の欠乏はまた、集中力が記憶力を低下させるから、情報処理能力がひどく落ちる。(溝口徹『「うつ」は食べ物が原因だった!』p145

 

 もしB6が不足すれば、「幸福物質」セロトニンの生産が落ちてしまう。脳内はセロトニン不足になるから、何かのきっかけでうつになりやすい。B6はストレスを緩和するが、ストレスはB6を消費する。もしB6不足で、しかもあなたがストレスを受けているなら、うつに向かっているのかもしれない。

 B6や葉酸が不足ぎみの人は多い。イギリスのキングスカレッジ病院は、うつや統合失調症の、精神科の入院患者一二三人の血液を調べたところ、その半数は葉酸レベルが低かったことを公表した。そこで、彼らに葉酸か偽薬を六ヵ月間与えたところ、葉酸グループだけに気分の向上が見られたという。葉酸の不足が気落ちの原因となることが分かる。(生田哲『食べ物を変えれば脳が変わる』p88~89

 

食べ物を変えれば脳が変わる

 

 ビタミンB群を摂取すると不安が軽くなることがある。事実、不安障害に見られる多動、神経質、疲労、うつ、心配、不眠などの症状は、ビタミンB群の一つであるナイアシン(またはナイアシンアミド)の不足によっても生じる。(生田哲『心の病は食事で治す』p157

 

 ストレスを受けると、副腎からアドレナリンやコルチゾールといったホルモンが放出されてストレスに対抗する。アドレナリンやコルチゾールをつくるには、パントテン酸とビタミンCが必要だ。このため、パントテン酸とビタミンCは「抗ストレスビタミン」と呼ばれている。(生田哲『心の病は食事で治す』p59

協同して働くビタミンB群

またビタミンB1やB2、B12、ナイアシンパントテン酸、ビオチンも、心の健康を保つために非常に大切な働きをしています。そして、ビタミンB群は協同して働くため、特定のビタミンBだけを摂るより、様々なビタミンBを一緒に摂るほうが効果的だとされています。

 

 ビタミンB群は互いに協力してはたらき、脳が伝達物質をつくるのを助けている。そのため、B群をいっしょに摂るのが合理的である。あなたが特定のビタミンBを摂る際は、B群複合体やマルチビタミンの摂取も忘れないようにしよう。(生田哲『食べ物を変えれば脳が変わる』p163

 

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腸内細菌はビタミンB群を作る

ところで、うつの症状をやわらげていくためにビタミンB群を効果的に摂っていく場合、二つの方法があります。

まず一つ目は、ビタミンB群が豊富な納豆や玄米などの食材や、スーパーフードと呼ばれる食品(ノニやサジーユーグレナ、青汁など)から摂る方法です。

そして二つ目は、腸内細菌のバランスを整えることで、腸内細菌に作ってもらう方法です。

実は腸内細菌にはビタミンB群を作る働きがあるのです。

腸内細菌が作り出すビタミンは、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビオチン、葉酸パントテン酸、ビタミンKなどです。

そのため体内のビタミンB群が不足するのを防ぐためには、食物繊維をたくさん摂って腸内細菌のうちの善玉菌を増やし、腸内細菌に作ってもらうことも一つの手段なのです。

 

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うつ病と腸と脳と炎症の関係とは?

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前回はうつと脳の炎症の関係についてデイヴィッド・パールマター氏の『「いつものパン」があなたを殺す』を取りあげながら述べましたが、今回は炎症とうつ病と腸と脳の関係について述べていきたいと思います。

 

では、うつ病と、腸と脳、炎症は、どのように関係してくるのでしょうか?

その前にまず、うつと脳の炎症の関係について、デイヴィッド・パールマター氏は『「いつものパン」があなたを殺す』のなかで以下のように述べていることをおさらいしたいと思います。

 

 脳疾患も含めてすべての変性疾患を引き起こすのが「炎症」であることは、研究者たちにはかなり前から知られていた。そして研究者たちは、グルテン、さらに言えば高炭水化物の食事が脳に達する炎症反応の原因になっていることを見出しつつある。

 ふだん、腸内ガス、膨満感、便秘、そして下痢などは比較的すぐに症状が現れるので、消化器系疾患や食物アレルギーには気づきやすい。ところが、脳はとくにわかりにくい器官だということだ。分子レベルではあなたが気づかないうちにずっと激しい攻撃に耐えているかもしれない。頭痛を治そうとしたり、明らかな神経系の問題に対処したりしないかぎり、脳で何が起こっているかはわからず、とうとう手遅れということになり得る。脳疾患に関して言えば、いったん認知症などの診断が下されると、そこからの方向転換は難しいのだ。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p53

 

そして、うつ病と腸の関係性について、デイビッド・パールマター氏は『「腸の力」であなたは変わる』で以下のように述べています。

 

 うつ病と腸につながりがあるという事実は、最近わかったことではない。

 すでに二十世紀初めには、研究者と臨床医たちがこの研究に深く携わり、腸内でつくられる毒性の化学物質は、気分や脳の機能に影響するのではないかと考えていた。このプロセスには「自家中毒」という呼び名さえあった。

 八十年以上前に、ある研究者チームは次のように書き記している。

「すべての精神状態に同じ原因があるとは考えられないが、消化管で発生する中毒症状と同じ原因を持つ精神疾患の事例があることを、認めるのが正当だと感じている」

 その後、残念ながら、腸と食生活パターンの研究は「非科学的」と見られるようになった。( デイヴィッド・パールマター/クリスティン・ロバーグ『「腸の力」であなたは変わる』 p112)

 

次に、腸と脳と炎症の関係については以下のように述べています。

 

 現在もっぱら注目されているのは、腸の機能不全と脳の関係、より具体的にいうと、血液中の炎症マーカー(体の免疫系が警戒態勢であると示すもの)の存在と、うつ病のリスクの関係を示す研究だ。

 炎症のレベルが高いほど、うつ病発症のリスクが急上昇する。そして、炎症マーカーのレベルが高いほど、うつ病の症状が重くなる。

 この結果から、うつ病も、パーキンソン病多発性硬化症アルツハイマー病などと同じ、炎症性疾患ということになる。

 うつ病の原因となる障害は脳内だけにあるのではないと考えられるようになった、目を見張るような研究結果もある。

 たとえば、うつ病の兆候がいっさい見られない健康な人に、炎症のきっかけになる物質を注入したところ、すぐに典型的なうつ病の症状を発症した。( デイヴィッド・パールマター/クリスティン・ロバーグ『「腸の力」であなたは変わる』 p113~114)

 

「腸の力」であなたは変わる

 

うつ病と、腸と脳と炎症の関係性について、デイビッド・パールマター氏は『「腸の力」であなたは変わる』のなかでこのように述べているわけですが、腸内環境の悪化によって、毒性の化学物質が血液中に入りこみ、炎症が起きることが私たちのメンタル面に何らかの悪影響を与えていることは確かかもしれません。

また、近年は腸に穴があくことによって、腸から体内に細菌やウイルス、未分化のタンパク質など様々なものが入りこんでしまう「リーキガット症候群」や「腸もれ」も、私たちの健康を害する深刻な問題になってきています。

そのため、うつ病の予防をはじめとして、少しでもからだとこころの健康を保つために大切になってくるのは、やはり腸内環境・腸内フローラを改善することと、砂糖などの糖質をなるべく摂らないようにする糖質制限であるように感じます。

 

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うつと脳の炎症の関係性とは?

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今回はうつの症状脳の炎症がどのように関係してくるのかについて書いてみたいと思います。

うつの症状が起こってくる原因としては、一般的に職場や学校などにおける心理社会的ストレスが挙げられることが多いですが、それ以外に、脳に起きている「炎症」を疑ってみることも、うつの症状をやわらげていくためには、大切になってくると思われます。

 

では、「炎症」とはそもそも何でしょうか?

 

「炎症」とは、生体が傷害を受けた際に起こる反応のことで、簡単に言えば、体内で起きる火事のようなものです。その炎症とはからだにとっては異常事態であって、炎症が起きた体の部位は、腫れや痛み、発熱などが起こります。そしてそのからだで起きた炎症に対して、火消し役として対処するのは私たちの体内に備わっている免疫システムです。

 

 炎症には急性炎症と慢性炎症とがあります。急性炎症は、病原物質を排除して組織を元の状態に回復させる復旧型防御システムです。慢性炎症は組織の改変に伴うもので、適応型防御システムと考えられています。うまく適応できなければ組織や臓器の機能が失われ、生物固体はこの世から退場させられることになります。(金子義保『炎症は万病の元 生活習慣病の真実、医療の現実』p62

 

そして、この炎症とアルツハイマー病をはじめとした脳の疾患の関係性を指摘しているのは、ベストセラー『「いつものパン」があなたを殺す』で有名な神経科医のデイヴィッド・パールマター氏です。

 

 脳疾患の原因は多くの症例において、たいがいは食事だ。脳の不具合の発生と進行にはいくつかの因子がかかわっているものの、だいたいの場合、炭水化物を食べすぎたとか、健康的な脂肪をほとんど口にしなかったという過ちのせいだ。

 この事実を理解するには、あらゆる神経系の病気の中でもっとも恐るべきもの、つまりアルツハイマー病を考えることだ。そしてアルツハイマー病を、食事だけが引き金となる糖尿病の一種という視点で見てみることだ。質の悪い食事をとっている肥満や糖尿病になり得ることは誰もがわかっている。果たして脳も同じように壊れてしまうのか。(デイヴィッド・パールマター/クリスティン・ロバーグ『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p43

 

 脳疾患も含めてすべての変性疾患を引き起こすのが「炎症」であることは、研究者たちにはかなり前から知られていた。そして研究者たちは、グルテン、さらに言えば高炭水化物の食事が脳に達する炎症反応の原因になっていることを見出しつつある。

 ふだん、腸内ガス、膨満感、便秘、そして下痢などは比較的すぐに症状が現れるので、消化器系疾患や食物アレルギーには気づきやすい。ところが、脳はとくにわかりにくい器官だということだ。分子レベルではあなたが気づかないうちにずっと激しい攻撃に耐えているかもしれない。頭痛を治そうとしたり、明らかな神経系の問題に対処したりしないかぎり、脳で何が起こっているかはわからず、とうとう手遅れということになり得る。脳疾患に関して言えば、いったん認知症などの診断が下されると、そこからの方向転換は難しいのだ。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p53

「いつものパン」があなたを殺す

「脳の炎症」がパーキンソン病からさまざまな多発性硬化症、癲癇、自閉症アルツハイマー病、うつ病にいたるまでのあらゆる病気とは、何ら関係がないと思ってしまいがちな理由の一つは、脳には体のほかの部分と違って、痛みを感じる受容体がないためだろう。つまり、脳の炎症を感じることができないのだ。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p60~61

 

グルテンと糖質が脳の炎症を引き起こす

では、脳が炎症を起こしてしまう原因は何でしょうか? デイヴィッド・パールマター氏が『「いつものパン」があなたを殺す』のなかで主に挙げているのは、たんぱく質の一種であるグルテンと糖質です。

 

 グルテンとは「膠」を意味するラテン語で、タンパク質の混合物だ。粘着性のある物質として作用し、クラッカーや焼き菓子、ピザ生地などのパン製品をつくるときに粉をまとめる。
                  (中略)
  多くのアメリカ人は小麦からこのグルテンを消費している。しかし、グルテンライ麦、大麦、スペルト小麦、カムット小麦、ブルグア小麦などのさまざまな穀物にも含まれる。
               (中略)

 どんなタンパク質でもアレルギーを引き起こすことがあるように、グルテンもアレルギー反応を生む可能性がある。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』 p78~79』

 

また、デイヴィッド・パールマター氏は「グルテン過敏症」について以下のように述べています。

 

 さまざまな苦痛の種を抱えて私のところにやってくる患者には、共通する特徴がある。

 グルテン過敏症だ。

 つまり、グルテンは現代における「毒物」であり、その研究のために脳の不調や疾患について幅広い状況に注目して調べ直さなければならない。その共通点がわかれば、たった一つの処方箋、つまり食事からグルテンを除くことによって、数々の病気の治療が可能になる。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』 p76~77』

 

 あなたは、セリアック病をわずらう人と同じようにグルテンに過敏ではないかもしれないが、神経学的観点から考えると、私たちはみな、グルテンに過敏であろうことがよくわかる。
 神経系や脳という人目に触れない奥深い領域で起きているので、多くの人はただそれに気づかないだけだ。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p94)

 思い出してほしいのは、実際にあらゆる不調や疾患の核心にあるのは「炎症」だということだ。炎症反応を引き起こすものを体内に取り入れると、さまざまな健康上のリスクにさらされる。これは頭痛や頭がモヤモヤするなどの慢性的な深いからうつ病アルツハイマー病のような深刻な病気にいたるまでを指す。
 さらにいまや、グルテン過敏症と、何千年にもわたって医者たちも理解不能だった脳疾患(統合失調症、癲癇、双極性障害うつ病、さらに最近の自閉症ADHDなど)との結びつきは証明されている。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p94

 

さらに、氏は「炭水化物は、たとえグルテンを含まないものであっても、過剰に摂取すると、グルテンたっぷりの食事と同じくらいダメージを受けてしまう」と述べ、「炭水化物」の摂り過ぎも問題視しており、けっして「グルテン」だけが悪役ではないとしています。

 

そして、普段の食事を変化させることが、心の健康を取り戻す可能性につながるということを、『「いつものパン」があなたを殺す』のなかではっきりと示しています。

 

 私は、飲食物からグルテンを一切摂らず、炭水化物の代わりに脂肪を摂ることで生活や健康状態を一変させた人たちの研究もしている。

 このたった一つの食事の変化によって、うつ病が改善し、慢性疲労が回復し、二型糖尿病が快方に向かい、強迫的な行動に出なくなり、頭のモヤモヤから双極性障害躁うつ病)にいたるまで多くの症状が治癒するのを目の当たりにしてきた。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p110

 

では具体的に食事をどのように変えていけば良いのかといえば、やはり大切になってくるのは、「糖質制限」と「腸内フローラの改善」です。

 

脳の炎症を抑えるのに大切なDHA

さらに「油の摂り方」としてデイビッド・パールマター氏は「DHA」の重要性を指摘しています。

 

 人間の脳はその重さの三分の二以上が脂肪であり、そのうちの四分の一 がDHAである。そしてこのDHAは抗炎症作用を持っていて、体に負担がかかるような食事をとると、体を守るために戦士のように戦ってくれる。たとえば、 グルテンに反応して起こる腸の炎症を抑えたり、糖質(とくにはちみつや果物に含まれる果糖)たっぷりの食事による悪影響を防いだり。さらに、炭水化物を摂りすぎて脳の代謝が低下するのを防いだりする。(デイビッド・パールマター/クリスティン・ロバーグ『「いつものパン」があなたを殺す』 p252~253

 

ちなみに私自身は、このデイビッド・パールマター氏の『「いつものパン」があなたを殺す』や『「腸の力」であなたは変わる』といった著作から少なからぬ影響を受けました。

そして氏の著作を読んで感じたことは、うつの症状を少しでもやわらげていくためには、これまで述べてきた「脳」に起きている「炎症」をはじめとして、日頃の食事が脳や心に与える影響についても、ひとつの視点として考えていかなければならないということです。

 

もちろん食事だけではなくストレスなどの心理的な側面によっても炎症は起こります。たとえばアトピーの方がストレスのせいで皮膚にかゆみを感じるのはその一例です。

また、日本では精神科医の最上悠氏が『「脳の炎症」を防げば、うつは治せる』のなかで、脳と炎症の関係について述べています。

 

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カカオとココアがうつとストレスをやわらげるのに効果的な理由

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今回はカカオとココアうつとストレスをやわらげるのに効果的な理由について書いてみたいと思います。

カカオとココアは普段、職場や人間関係においてストレスを感じることが多く、気持ちもふさぎこみがちで、ついつい甘い物を食べてしまうという方におすすめです。

もちろん、カカオとココアが、つらいうつの症状を治すために高い効果を発揮してくれるわけではありませんが、一杯の温かいココアは、ストレスをやわらげ、心をほぐしてくれるのです

カカオとココアはうつとストレスをやわらげる

カカオたっぷりのココアはうつとストレスをやわらげてくれます。

 

その理由は、ココアには、腸内フローラを改善するのに効果的な食物繊維をはじめとして、カルシウム、鉄、亜鉛マグネシウムカリウムなどのミネラル、細胞の老化を防ぐ抗酸化作用があるポリフェノールなどが豊富に含まれているからです。

特にカカオの食物繊維は水溶性と不溶性の割合が、1:3であるため、他の食材と比べるとバランスよく含まれています。

ココアを一杯飲めば、一日の必要量が補えるわけではありませんが、それでも毎日一杯のココアを飲むことは、食物繊維の不足を解消するのに役立ってくれます。

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また、カカオに含まれるカカオポリフェノールにはストレスをやわらげるリラックス効果があるといわれているほか、カカオ豆に含まれるテオブロミンという成分にも、血行を良くして緊張をやわらげる効果があるとされています。

特に過度のストレスを感じてしまうと、腸内の善玉菌が減少し、代わりに悪玉菌が増殖するとされていますので、極度のストレスや慢性的なストレスは腸内フローラの健康のためには大敵です。

さらにストレスを感じることで、砂糖が大量に入ったスイーツなどの甘い物を食べ過ぎてしまうことも、うつを改善していくためには要注意です。少しでもうつをやわらげるためには、砂糖をやめる糖質制限が大切になってくるのです。

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 しかし、普段からカカオをココアやチョコレートから摂るようにすることは、腸内フローラの改善やストレス対策として有効であると考えられます。

それに加えて、カカオにはセロトニンを作るために必要なアミノ酸である「トリプトファン」が豊富に含まれているといわれていますし、気分がとても良い時に体内で放出される「アナンダミド」を長続きさせるといいます。

おすすめは「ココア(カカオ)パウダー」

ですが、問題は市販のココアやチョコレートには、カカオ以外にも砂糖や人工甘味料、乳化剤などの食品添加物が多く使われていることや、製造過程において栄養素の多くが失われてしまっている可能性があることです。

カカオが体に良いとはいっても、カカオが目的で、砂糖や食品添加物を余計に摂り過ぎてしまうことは、腸内環境のために必ずしも良いとは言えません。

そこでオススメしたいのは、「カカオパウダー」や「ココアパウダー」の名前で販売されている100パーセントのカカオの粉末を、うまく利用することです。

 

ココアパウダー

 

このカカオ(ココア)パウダーをホットミルクやお湯と混ぜるだけで、不足しがちな食物繊維をはじめとして鉄分やカルシウムなどのミネラルを手軽に補うことができます。

しかしカカオ(ココア)パウダーには砂糖が入っておらず、お湯に溶かして飲んでも甘みはありません。

そのため、甘さを足すために自分で甘味料を足すことが必要になってくるのですが、そこで重宝するのは、血糖値を急激に上げる砂糖ではなく、オリゴ糖やココナッツシュガーなどの、ゆるやかに血糖値を上げる甘味料です。

特におすすめは、香ばしく砂糖とそれほど変わらない甘みがあるココナッツシュガーです(GI値が30程度)。

 

ココナッツシュガー

ココナッツシュガーにも鉄やマグネシウムイノシトールなどが含まれています。

ココナッツシュガー

 

これで急激に血糖値を上げることなく、安心して甘くて美味しいココアを飲むことができます(もちろん、だからといって甘味料の入れすぎやココアの飲み過ぎには要注意です)。またお好みで牛乳も足してください。

そのほか、ココアにはカフェインが含まれているので、夜に飲むのではなく、朝や昼に飲んだほうが良いと思われます。

ちなみにカカオ(ココア)パウダーやココナッツシュガーは、オーガニックフードを販売する店や、オンラインショップで簡単に購入することが可能です。

 

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乳酸菌がうつの予防とストレス緩和に効果的な理由とは?

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今回は乳酸菌うつの予防とストレス緩和に効果的な理由についてです。

乳酸菌は腸内フローラのバランスを改善したり、腸内環境を整えたりするために、必要不可欠な存在ですが、乳酸菌を摂るようにすることと、うつの症状をやわらげたり、うつを防いだりすることとは、どのような関係があるのでしょうか?

(腸内フローラの改善とうつの症状の緩和との関係性については、以下の記事をご覧ください。)

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まず、乳酸菌がうつの症状をやわらげたり、うつを防いだりすることに関して注目したいのは、乳酸菌のストレスを緩和する効果です。

過度のストレスを感じると、腸内の善玉菌が減少し、代わりに悪玉菌が増殖することはよく知られていますが、最近の研究では、乳酸菌がストレスに直接的に関わっていることが分かってきたとされているのです。

たとえば、ヨーグルトの摂取によりストレス情報の伝達を抑制されたり、一部の乳酸菌を摂ることで、唾液中のコルチゾール(ストレスホルモン)が抑制されたりしたそうです。

また、これはマウス研究ですが、無菌マウスは通常の腸内細菌をもつマウスよりも、過剰なストレス反応を示すそうです(九州大学大学院医学研究員の須藤信行教授による研究)。

乳酸菌がストレスを低減するために働いてくれる

ところが無菌マウスに腸内細菌を植えつけると、無菌マウスのストレス反応は正常化に向かったようです。

もちろん、乳酸菌をヨーグルトやサプリメントからたくさん摂るようにすれば、ただちにうつの症状が緩和されるといったような短絡的な話にはならないと思います。

しかしこのような研究は、乳酸菌がストレスを低減するために働いてくれる可能性を示しているように思います。

とくにうつの症状が重くのしかかってくることには、多くの場合、学校や職場環境による心理社会的ストレスが主に関係してくると考えられるため、乳酸菌を摂るようにすることで、腸内の善玉菌を増やすことは、うつの症状を少しでもやわらげるために貢献してくれるのではないかと個人的には感じます。

そのほか、腸内の乳酸菌(善玉菌)が増えれば、腸管のバリア機能が高まり、有害な化学物質や細菌などが、体内に侵入をするのが防がれるというメリットもあります。

この腸管のバリア機能を高めるということも、うつ病をはじめとした心の病を防ぐためには大切になってくるように思います。

また、以前の記事でも紹介しましたが、『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』に以下のような記述があります。 

 

健康な参加者の場合も、三〇日にわたって毎日二種のプロバイオティクス菌のカクテルを摂取すると、不安感やうつが軽減した。このように楽観できそうな理由はあるのだが、これらはあくまで予備実験であって、過敏性腸症候群や炎症性腸疾患、気分障害(うつや重い不安障害)などの疾患の治療にプロバイオティクス菌をどう取り入れるかは、プラセボを飲む対照群を使った実験で決めるべきだろう。治療は個人化の必要があるかもしれない。しかし、こうした実験が思い起こさせてくれるのは、私たちの体内にいる微生物が脳と腸双方に影響を与える病気にかかわるということだ。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原多惠子訳 p189

 

腸内の乳酸菌の増やしてストレス緩和

ところで、食品から乳酸菌を摂ったとしても、成人になる頃にはすでに多種多様な腸内細菌が腸に定着しているため、ほとんど腸に居着くことが出来ず、体外に排出されてしまいます。

しかし、生きた乳酸菌を摂ると、数日の間は、乳酸を腸内で生み出して腸内の環境を正常な酸性の保ってくれるとされています。

また胃酸によって死菌になったとしても、善玉菌のエサになるといいます。

そのため、食品から摂った乳酸菌がそのまま腸内で活躍し続けるというわけではありませんが、日頃から乳酸菌を多く摂るようにすることは、結果的に腸内細菌の集まりである腸内フローラのバランスを整えることにつながるのです。

 

乳酸菌についての詳しい情報は以下のページをごらんください。

www.tyounaiflorakaizen.com

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